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第1645号 2001年3月5日

マツダ、小型乗用車の欧州生産拠点を決定

−フォード バレンシア工場(スペイン)−

 マツダは欧州向け小型車Bカーの生産拠点をスペイン、バレンシア近郊アルムサフェス市にあるフォードのバレンシア工場とすることを決定した。生産は2003年初頭から開始する。

 この決定により、マツダは欧州市場向けにBカーを当面年間40,000台生産し、為替変動に強い経営体質に改善する。


フォードバレンシア工場

 バレンシア工場はバレンシア市の南約20kmにあり、販売が好調なフォード「フォーカス」と「Ka」を生産している。マツダの発表と同時に、フォードもバレンシア工場での次世代「フィエスタ」の生産計画を発表した。

 マツダのフィールズ社長は「バレンシア工場及びその従業員は、1つの工場で2車種の高品質な商品を効率よく混流生産している。この生産効率のよさと高品質の車づくりがマツダ車の生産拠点としてバレンシア工場を選択する決め手となった。この決定はマツダ、フォード双方にとってメリットのあるものである」と述べた。また「この工場はコスト効率のよい生産拠点であり、為替の変動にも対応できる。フォードにとってもマツダ車の生産を加えることにより工場の稼働率を上げることができる」と付け加えた。

 フィールズ社長はマツダとフォードの共同生産について更なる可能性を示唆した。「フォードとのパートナーシップにより、マツダ車をフォードの工場で生産したり、フォード車をマツダの工場で生産するなど両社にとって戦略的な選択肢が増えることになる」と述べた。「今後も引き続きお客様が両ブランドに期待している独自性を保ちながら、ビジネス効率を高めて行く」と続けた。

 またフィールズ社長は昨年12月に、丸本明取締役(43歳)を欧州開発・生産担当および欧州R&D事務所長に任命している。丸本氏は、それまで本社で商品品質本部長として品質管理を担当していたが、現在は欧州で2003年の生産開始に向けての準備を行うとともにマツダ車の品質確保に責任を負っている。

 なおバレンシア工場は、隣接したサプライヤーパークによりモジュール生産や近代的な部品供給システムの活用が可能であり、マツダ車を効率よく生産するためのサポート体制が整っている。バレンシア工場の従業員数は約7,100名、サプライヤーパーク内にあるサプライヤーの従業員を含めた工場全体の従業員数は9,700人強である。




フォード バレンシア工場(スペイン)の概要

所在地:アルムサフェス工業団地
スペイン バレンシア県 アルムサフェス市 46440 (バレンシア市の南、約20km)
46440 ALMUSSAFES, VALENCIA, SPAIN
設立:1976年
敷地面積:2,734,620m2(建物面積574,000m2含)
従業員数:約7,100人(2直生産) (サプライヤーパーク内にあるサプライヤーの従業員数:約2,600人)
車両組立て工場
生産能力: 45万台/年(フォーカス、Kaの2車種を生産)
2000年実績:343,794台(Ka:146,680台、フォーカス:197,114台)
2000年輸出:287,052台
従業員数(1999年):アワリー従業員約5,000人、サラリー従業員600人
合計約5,600人
エンジン工場
1989年以降の平均年間生産台数は540,000台。 内70%強が独(ケルン、ザールルイ)、ブラジルに輸出されている。
1) バレンシアエンジン工場No.1
操業開始:1976年
2001年生産モデル:1.3 リッター Endura-E
2000年実績: 275,781基
2000年輸出: 131,745基
従業員数(1999年):アワリー従業員約1,000人、サラリー従業員約100人
合計約1,100人
2) バレンシアエンジン工場No.2
操業開始:1995年
2001年生産モデル:1.25 リッター及び1.4リッター Zetec-SE
2000年実績: 170,786基
2000年輸出: 165,309基
従業員数(1999年):アワリー従業員約380人、サラリー従業員約20人
合計約400人
インダストリアルパーク:サプライヤーが工場に隣接する形態をとっている。1996年、フォードKaの生産開始以来、現在38のサプライヤーが操業しており、6社が建設中、11社が進出を決定している。
現在敷地面積は660,000m2で2002年には約2倍の1,300,000m2に拡張する予定である。
ISO14001認可

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