2.抜群の機能性 |
(1)創意に富んだ高効率パッケージング
駆動方式を新たにFFとし、限られた全長の中で最大の室内を確保できる高効率パッケージングを採用しており、7人乗車時でも全員が快適であるとともに、人数分の荷物を余裕をもって積むことができる。
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1)ボディサイズ |
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全長4,750mm、全幅1,830mm(標準車は1,820mm)、全高1,745mmとし、定員の7人乗車時でも全員が快適な広い室内と、余裕のあるラゲッジスペースを確保できるボディサイズとした。 |
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ラジエターなどエンジン補機類の配置を工夫したことにより、前輪から車両前端までを短くしており、5.7mに抑えた最小回転半径とあわせて取り回しのしやすさを高めている。 |
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2)広くて使いやすい室内 |
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実質室内長(アクセルペダルからリフトゲートまで)は従来型と比べて157mm長い、クラストップレベルの3,213mmとした他、室内の幅、高さともに充分にとり、ウォークスルーも楽にできる広い室内を実現した。 |
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3)良好な視界と乗降性の両立 |
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フロントシートの高さを最適化し、高いアイポイント及び上体が立ち気味の着座姿勢により周囲の状況を把握しやすい「コマンドポジション」と、乗り降りのしやすさとを両立した。 |
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後席はスライドドアの開口部を大きくとり、2、3列目シートへの乗り込みを容易にした。 |
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シートの位置は後ろのシートほど高く設定し、2、3列目シートの乗員に良好な前方視界を提供している。 |
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4)荷物の量に合わせて拡大できるラゲッジスペース |
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3列目シート後ろのフロアを掘り込み構造としたことによって、ラゲッジスペースは3列目シート使用時でもクラストップレベルの405リットル(VDA)の容量を確保しており、ゴルフバッグを立てにして5個収納できる。また3列目シートを床下に格納すれば866リットル(同)に、さらに2列目シートをダブルフォールドすれば1,240リットル(同)に拡大できる。 |
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(2)新発想による便利な機能
ユーザーの使用実態を調査した上で、ユニークな機構をもつ2、3列目シートで構成する「KARAKURI」シートを採用し、多彩なシートアレンジが簡単に使いこなせるように操作性を高めた。また、乗員一人一人に配慮した快適・便利装備を数多く備えている。
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1)乗車人数や荷物の量、使用シーンに応じて多彩にアレンジできる「KARAKURI」シート |
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左右独立の2列目シートは、乗員が座ったまま左側シートを左右に移動できる世界初のスライド機構により、キャプテンシートとベンチシートの両方の使い方が可能である。また、前後スライド、ダブルフォールドの各機構を採用した他、背もたれの背面に樹脂パネルを備えており、前に倒すとテーブルにもなる。 |
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3列目シートは床下へ完全に格納できるとともに、停車時に後方に回転させ後ろ向きに座るリフトゲートパーティモードが可能である。 |
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3列目シート使用時でもシート下に空間を設けており、スキーやスノーボードなどの長尺物を積むことができる。 |
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2)乗員一人一人に配慮した快適・便利装備 |
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後席両側のスライドドアは、開けた時のドアの張り出しを小さくして、駐車場など狭いスペースでの乗降を容易にしている。また、半ドアの位置までスライドさせるだけで確実に閉まるイージークロージャーを標準装備するなど、操作力を低減すると同時に操作感を向上させた。 |
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スライドドアにはパワーウインドーを採用して開閉可能としており、後席の乗員に開放感を与えている。 |
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ツインエアコン(フロントフルオート)を全車に標準装備した。冷暖気を各席用の吹き出し口から供給するとともに、リアエアコンにも除湿暖房機能を備えており、前後席ともに一年中快適な空調環境としている。 |
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容量9リットルのグローブボックス、CD12枚を収納できるインパネアンダーボックスの他、合計8個のカップホルダーなど、乗員一人一人の使い勝手の良さにこだわった収納スペースを設けた。 |
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3.反応の優れたハンドリングと性能 |
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豊かな低中速トルクを発揮する新型2.5リットルV6及び2.0リットル直4エンジン、操縦安定性と乗り心地を両立したサスペンション、高性能なブレーキ、高剛性・安全ボディなどにより、乗車人数や荷物の量にかかわらず常に安定した走りと確実な操縦性、優れた静粛性を実現している。 |
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(1)パワートレイン |
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Gパッケージ以上に搭載した新型の2.5リットルV6エンジンは、可変吸気システム「IMRC」(*)を採用し、豊かな低中速トルクを発揮するとともに、燃費が良くクリーンなエンジンとしている。標準車に搭載した2.0リットル直4エンジンは、可変慣性吸気システムの採用及びカムタイミングなどの最適化によって、全域にわたりトルクを向上させた。なお、両エンジンともに経済的なレギュラーガソリン仕様としている。 |
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(*)「IMRC」:Intake Manifold Runner Control |
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エンジン主要緒元 |
型式 |
GY-DE型 |
FS-DE型 |
種類・シリンダー数 |
水冷V型6気筒DOHC |
水冷直列4気筒 DOHC |
総排気量 (cc) |
2,494 |
1,991 |
最高出力 (PS/rpm) |
170/6,250 |
135/6,000 |
最大トルク (kg-m/rpm) |
21.1/5,000 |
18.0/4,000 |
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・ |
電子制御4速コラム式ATを採用し、ホールドモード、オートパワー制御、スロープコントロールを備えるとともに、伝達効率を高めた新開発のトルクコンバーターによりスムーズな変速と燃費の向上を実現している。 |
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(2)シャシー
操縦安定性と乗り心地を両立したサスペンション、応答性の優れたステアリング、高性能なブレーキなどによって車両の安定性を高めるとともに確実な操縦性を獲得している。
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フロントサスペンションには剛性の高いマクファーソンストラット式を、リアサスペンションには安定した接地性を発揮するトーションビームアクスル式を採用し、ロールセンター高の最適設定などのチューニングにより、乗員数や荷物の量に左右されない操縦安定性としっかりした乗り心地、確実なハンドリングフィールを実現している。 |
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フロントに15インチサイズのベンチレーティッドディスクを、リアに10インチのドラムブレーキを採用した。 |
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(3)ボディ
進化させた高剛性・安全ボディ「MAGMA」(*)を採用し、各ピラー断面積の拡大、リアゲート周辺の強化などによって高い剛性を確保すると同時に、制振材を最適な箇所に配置して静粛性も高めている。
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(*) 「MAGMA」:Mazda Geometric Motion Absorption (マツダの全方向衝撃吸収構造ボディ) |
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4.世界最高水準の安全性 |
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(1)アクティブセーフティ |
1) |
視界の良いコマンドポジション、視認性、操作性の良いスイッチ類により安全性の高い運転環境を提供している。 |
2) |
Aピラーのレインガーターモールや雨水コントロールドアミラーなどを採用し、雨天時の視認性を向上させた。 |
3) |
優れたサスペンション性能や最新のブレーキシステムによって、高い走行安全性を実現した。 |
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-EBD(電子制御制動力配分システム)を全車に標準装備した。乗員数や荷物の量などの荷重変化に応じて自動的に前後の制動力を最適に配分することで、高い制動性能を実現している。 |
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-緊急制動時に、ある一定以上の踏力がブレーキペダルに加わった場合、パワーブレーキユニットの制動力補助の比率を上げてドライバーのブレーキ操作を補助する、ブレーキアシストを全車に標準装備した。 |
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(2)パッシブセーフティ |
1) |
新型MPVでは、高剛性・安全ボディ「MAGMA」をさらに進化させている。キャビンを強化した上で、前面からの衝撃をより効率良く吸収する箱型断面を持ったフロントフレームを新たに採用した。さらに、このフレームは前端部を蛇腹構造としており、オフセット衝突時の衝撃吸収能力も大幅に高めている。 |
2) |
フロントシートにプリテンショナー&ロードリミッター機構付きのELR3点式シートベルトを採用し、2列目シートにはALR機構(チャイルドシート固定機構)付きELR3点式シートベルトを備えた。 |
3) |
運転席&助手席SRS(*)エアバッグを全車標準とし、運転席&助手席頭部保護機能付きSRSサイドエアバッグを、標準装備またはメーカーオプションとした。(*)SRS
: Supplemental Restraint System(乗員保護補助装置) |
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●環境保護への取り組み
新型MPVでは低燃費化や排出ガスのクリーン化、樹脂部品のリサイクル促進、特定フロン及びアスベストの廃止など、環境保護と資源の有効活用に積極的に取り組んでいる。また、マツダは、本社の管理部門や研究開発部門、主力工場などが集まる広島地区において、2000年の6月を目処に「ISO(*)14001(通称、環境ISO)」の認証を取得する方針を決め、取得に向けた全社活動を展開している。(*)ISO:国際標準化機構
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●高品質の追求
マツダは、品質・サービスの向上を通じた顧客満足の向上を目指しており、自動車製造における設計・開発から製造、販売、アフターサービスまでの広い領域をカバーする国際的な品質保証規格「ISO9001」の認証を、1996年6月に国内自動車メーカーとして初めて取得している。また、新型MPVの開発では、設計や実験、生産プロセスに最新のコンピューター技術を駆使した、マツダデジタルイノベーション(MDI)を活用しており、開発期間を大幅に短縮するとともに、品質向上を実現した。
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●機種体系
駆動方式は2WD(FF)とした。エンジンは新型2.5リットルV6DOHCをGパッケージ、スポーツパッケージ、Lパッケージに、2.0リットル直4DOHCを標準車に採用している。変速機は電子制御4速コラム式ATのみとした。
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スポーツパッケージは、フロント及びリアのアンダースポイラー、サイドスカート、リアルーフスポイラー、フロントフォグランプ、16インチアルミホイール&タイヤを装着し、スポーティさをより高めている。さらに、スポイラーはボディ同色とした上でクロームモール調のペイントを施し、オリジナリティを強調した。 |
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