ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30
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マツダ技報 2012 No.30
No.30(2012)マツダ技報特集:新型車(CX-5)18CX-5のデザインDesign of CX-5中山雅*1Masashi Nakayama要約CX-5はマツダの「SKYACTIV THECHNOLOGY」と新デザインテーマ「魂動(こどう)」を採用した初めての市販モデルである。これまでにない技術とデザインテーマを融合し,マツダはCX-5を,まさに獲物に飛びかかろうとするチーターを彷彿とさせる,生命力と躍動感を研ぎ澄ませたデザインに造り込んだ。エクステリアでは,造形がクルマとしての性能・機能と高次元でバランスした,スポーティかつ堂々としたスタイルを追求した。インテリアでは,ひと目で「運転してみたい」と感じ,乗って納得する空間の創出を目標に,力強さと質感の高さを感じられるドライバオリエンテッドなデザインを表現した。SummaryThe CX-5 is the first vehicle available in the market that has adopted Mazda’s next generation“SKYACTIV TECHNOLOGY”and its new design theme“KODO”. Through the process of bringing theentirely-new“technology and design theme”into reality, we came up with the CX-5 having asophisticated styling with vital energy and dynamics feel. This reminds us of a cheetah that is about topounce on its prey. With regard to the exterior, we pursued a sporty and dignified styling that wouldallow users to sense a perfect balance between the form and the performance and functionality as a car.Meanwhile, for the interior, we attempted to create a space that would make users feel like driving thecar just by looking at it and convince them once they get in the car. Through these efforts, we were ableto achieve a driver-oriented design that offers dynamism and high quality feel.1.はじめにコンパクトクロスオーバSUVセグメントは市場規模がグローバルに拡大傾向にあり,この先も有望なセグメントである。CX-5は,その真ん中を狙って投入され,デミオ・アクセラ・アテンザに次ぐ新たな基軸車種として,マツダのブランド力向上に貢献する使命を持って開発された。そのため,開発にあたっては世界各国の市場特性を理解し,それぞれのコンパクトSUVクラスへジャストミートさせることを念頭に入れながら,マツダらしいデザインを実現することに注力した。一方その開発自体は,「SKYACTIV TECHNOLOGY」を余すことなく具現化するべくほぼ全ての部品を新設計し,同時に新デザインテーマ「魂動」を表現するという,大きなチャレンジを伴うものとなった。そのチャレンジが独自のデザインとして結実するよう取り組んできた開発過程も絡め,CX-5のデザインの魅力について紹介する。2.デザインコンセプト2.1新時代デザインテーマの構築2010年夏,マツダは新しいデザインテーマ「魂動」を発表した(Fig.1)。これは「生き物が『動き』の中で見せる一瞬の美しさや力強さ」から受ける強いインスピレーションを自動車のデザインに昇華させようというものである。これを端的に表現したコンセプトカーとして「靱(シナリ)」を同時に発表し,世界的に高い評価で受け入れられ*1デザイン本部Design Div.―93―