ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30
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マツダ技報 2012 No.30
No.30(2012)マツダ技報Fig.6 Family Face with Signature-Wing(2)アスリートのように引き締まったリヤビューリヤフェンダの張り出しは強い踏ん張り感を表現した。加えて,鍛え上げたアスリートのヒップを思わせるリフトゲート周りの面の張りとのコンビネーションによって,お尻が重い一般的なSUVとは違うセクシーな後姿を作り出している。フェンダ自体もSUVに多いオーバーフェンダ風とせず,強い抑揚のあるボデー断面と連続させることで,艶やかで魅力的な面の表情を狙った。それらによって,美しくも逞しいたたずまいを実現している(Fig.9)。Fig.7 Front View3.3艶があって凛とした,魂動のボデーランゲージ(1)「動きの予感」に呼応するキャラクタボデー全体のウェッジシェイプに呼応するようボデーサイドのキャラクタラインやホイールアーチの傾きを合わせ,全体の印象をダイナミックに演出した。クーペのように倒れたバックウインドウは,SUVにありがちな鈍重なイメージを払拭し,特にクオータービューでのシルエットに軽快感を与えている。その際,リヤウインドウ下端位置を後方かつ上方に持ち上げることで十分な荷室を確保し,同時に車体が前傾したイメージも強調した。ヘッドランプ内側からつながるボンネット上の折れラインは,フェンダを斜めに横断しながらドアへと消えて行き,RX-8に始まるマツダ独特の「隆起したフェンダ」の新たな表現とした。そのラインの曲率にも変化を持たせ,ボデー下部の跳ね上がるラインとともに書道の「ため」と「はらい」のようなリズムとスピード感を表現した(Fig.8)。Fig.9 Rear View3.4世界最高レベルの空力特性と魅力あるデザイン走る歓びを高い環境安全性能と両立するマツダの「サステイナブル“Zoom-Zoom”」を表現するには,スポーティなデザインと高い空力特性とが並び立つ必要があると考えた。ボデー後方は,緩やかに下がるカーブを描くルーフ形状と,サイレンサ部分が上方に跳ね上がる形状を持ったフロアとの組み合わせによって,全体を飛行機の翼断面の一部のようなカタチに構成している。これはルーフから吹き降ろす風とフロアから吹き上げる風とをスムーズに整流させる効果があるが,引き締まったリヤビューを表現することにも役立っている。また標準装備としたルーフスポイラの横に小さなフィンをつけることで,整流効果を更に高めながら,アグレッシブな外観を作り出した。フロントのコーナ部の造形は,気流を剥離させるために単にエッジを立てるだけでなく,SUVらしい強さと踏ん張り感の表現としても造形した。これら全体の工夫により,Cd値はクラストップとなる0.33を実現した。しかしこれは構造の見直しだけでなく,コストもかける必要があった。スポーティなデザインと高い空力特性の実現という,妥協なき目標を開発チーム全体で共有していたことにより達成できたものである(Fig.10)。Fig.8 Design ThemeFig.10 Aerodynamics―95―