ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30
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マツダ技報 2012 No.30
No.30(2012)マツダ技報5.カラーデザイン(Fig.17)。5.1 SKYACTIVと魂動を表現したボデーカラーボデーカラーに関しては,車の特徴やマツダのイメージを牽引する戦略カラーと,カスタマーの好みや各市場のニーズを反映したスタンダードカラーとに大別してラインナップを揃えた。「SKYACTIV TECHNOLOGY」の象徴としてアクセラから導入したSky Blue MCはCX-5でも継承し,新たに魂動デザインの表現(力強さや色気)をより際立たせるカラーとしてZeal Redを新色として開発,この2色がイメージを牽引する役割を担う。他の色はグローバルなカスタマーニーズに適確に答えることを目的とし,マツダの既存ラインナップの中で最も時代性に合う高品位なカラーを選りすぐり,全体のバリエーションに幅を持たせている(Fig.16)。Fig.16 Body Color5.2インテリアコーディネーションは大人の知性と艶(1)カラーコーディネーション黒で統一した内装は,サテンクロームの加飾とのコントラストによりスポーティさをピュアに表現した。助手席前のピアノブラック加飾は,基調となるBlackの空間に艶やかさを加えることに寄与させた。(2)レザーシートレザーシート素材にはパーフォレーション(穴開け)加工を施した本革を採用した。パーフォレーションは吸音性能が高く,室内の静粛性向上にも貢献。そのため,穴の大きさやピッチまで吟味しており,最上級グレードに相応しい質感と機能性を持った仕上がりとなっている。ステッチに関しても,ダブルステッチ部はツインカラーステッチ(隣り合う糸の色を変える)という新しい手法を用い,アクセントカラーの主張を適度にコントロールすることで,センスの良さを醸し出している。(3)ファブリックシート緻密で質感の高い織物とテクニカルなエンボス加工を融合させた,革新的発想のシート素材を採用した。布表面の凹凸はダイナミックな模様を描き,「マット&グロス」と呼ぶ艶のコントラストがSUVらしい力強さとスポーティさを引き出している。また,シート本体の立体感と相まって,存在感と造り込みの良さが表現されているFig.17 Seat Material6.おわりにCX-5は「動いて」カッコよく見え,「使って」歓びを感じるデザインになったと思っている。SUVが欲しいと思う人の期待を裏切らない力強さを持ちながらスポーティなエクステリアは,止まっていても動き出しそうに見え,オーナーの心を昂ぶらせるだろう。また,無駄のない機能美を追求し,本物感にこだわりながら丹念に造り込んだインテリアは,使い込むほどに深い満足感を味わっていただけるものと思う。「SKYACTIV TECHNOLOGY」と「魂動」を具現化したCX-5は,発表後,当初の期待以上の高い評価をいただいており,マツダの考え方に共感してもらえる人々が数多く増えていることを実感している。CX-5とこれからの新型車を通して,サステイナブルな走る歓びを提供するマツダの「お客様への約束」が,これからもより多くの方に届くことを心から願っている。■著者■中山雅―97―