ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

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概要

マツダ技報 2012 No.30

マツダ技報No.30(2012)4.2視界SUVに期待される視界を実現するため,路面からの目の高さを同クラスのSUV並みとした。これにより,遠くまで見渡せ,前方情報を素早く察知し危険を未然に回避することにつながり,疲労・ストレスを軽減した。また,街中や郊外路での取り回しでは,車両周囲の状況を把握するために重要なAピラー廻りの視界に注力した。街中の交差点右左折時では,ドアミラーの取り付け方式をドアマウントとし,Aピラーとドアミラーの間から横断歩道を渡る歩行者の視認性を向上した(Fig.6)。郊外路のカーブ走行時では,前方左右の見開き角を確保し,クリッピングポイントの視認性を向上させて,狙い通りの走行ラインをトレースできる視界を実現した。Clipping pointRr. Occupant’s Leg Space Height (mm)WidthHeightFig.7 Rr. Occupant’s Leg Space200180160140120100806040200Rr. Occupant’s Leg Space Height185CX-5 A B C D EFig.8 Rr. Occupant’s Leg Space HeightFig.6 Visibility Around A Pillar Lower5.心を落ち着かせる室内空間心を落ち着かせる場所として,運転に集中でき,気の合う仲間と談笑できる室内空間の実現を狙った。運転へと意識をいざなう「包まれ感」が心地良い前席空間,及び,大人が様々な姿勢で座りやすい後席空間,を具現化した。5.1前席乗員フロントヘッダやインストルメントパネルは,圧迫感と包まれ感の両立を図った。これら部位から乗員の受ける圧迫感は,アイポイントからの距離と視野角の組み合わせにより変化する。これらの要素を最適にバランスさせることで,圧迫感と包まれ感が両立するフロントヘッダとインストルメントパネルの造形を実現した。居住空間については左右スペースを重視し,ドアトリム間の寸法をクラストップの1,460mmとした。乗員着座位置は,ドアトリムとコンソールのアームレスト間のほぼ中央とし,左右のアームレストを均等配置した。中央のアームレスト幅は190mmとし,運転席と助手席から同時に肘が置けるスペースを確保した。5.2後席乗員大柄な乗員でも,足を前方へ投げ出したり膝を組んだりして姿勢を変えられるように,クラストップレベルの足元・膝前スペースを実現した。足元スペースではフロントシートの取り付けブラケット部の幅(380mm)とシートクッション下面~床面の上下スペース(185mm)の拡大,膝前スペースではシートバックの薄型化により,トップレベルのスペースを確保した(Fig.7,8,9)。Rr. Occupant’s Leg Space Width (mm)CX-5Rr. Occupant’s Leg Space Width380ABCDE335340345350355360365370375380385Fig.9 Rr. Occupant’s Leg Space Widthシートバック高さは,580mm確保し,同クラスのSUVでトップレベルとした。大柄な乗員でもゆったりとシートバックにもたれかけられる高さとした。中央のアームレストは,バック分割ラインいっぱいまでアームレスト幅を拡大し,後席でも大人2名がリラックスした姿勢で肘が掛けられるセンターアームレスト幅(250mm)を実現した。5.3乗降性乗降時の筋負担やサイドシルへの足当たりを分析し,自然な動作での乗降を可能とした。ヒップポイント地上高は,乗降時に重心の移動が少なく,腰や膝にかかる負担が小さくなる高さとした。更に,ドア下端部でサイドシル外側面を覆う構造を採用し,乗降時の足当たり改善とズボンの裾汚れを抑止している(Fig.10,11)。Door PanelGarnishSide SillFig.10 Door Structure Fig.11 Ingress/Egress―100―