ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30
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マツダ技報 2012 No.30
マツダ技報No.30(2012)せ,更に環境と運動性能に直結する軽量化を実現するといった「全ての面でベストであること」の革新的な目標を設定し,商品開発に取り掛かった。また,収益性を確保するには円高環境に対応するだけのコスト適正化を,性能の低減なしにやり切るVE活動が必須だった。加えて,商品のタイムリーな市場導入のため更なる短期開発を目指した。2.開発プロセス2.1開発アプローチ技術開発においてボデーの機能と機能量を明確にした上でボデー構造との関係を解明した。これをCX-5の諸元に当てはめて開発を進めた。お客様に提供する価値が最大となるべく,必要とされる機能を最大化し質量が最小となる構造を決めるアプローチとして①力学の原理原則から構造の理想化②工法選択による接合効率の向上③材料・板厚の適正化に取り組み,これらの項目をCAEによる解析シミュレーションを用い繰り返し検証した(Fig.1)。Idealized ofComponentstrengthen framesmaximiseperformanceStraight FramesMaximisePerformanceWeightContinuous StructuresMethod ofConstruction・stiffnessenhanced bystrengthen joint・Minimumthicknessdetermined bystiffness CAEPerformanceWeightMinimise■:Weld bonded sections■:Increased spot weld pointsMaterialThicknessMaterialselected bynecessarystrengthPerformanceWeightMinimise1800MPa high-tensile780/980Mpa high-tensile590MPa high-tensile340/440MPa high-tensile270MPa high-tensileを造り込み,お互いがベストの構造をONE MAZDAの精神で決定した。2.3理想構造化のプロセス理想構造を構築するのに当たり①衝突,剛性,NVH等に対応するフレームワークの構造検証②機能配分量の適正化③品質工学による寄与度分析を用いた検証について,同様に検証を繰り返した(Fig.2)。1st StepLook for Ideal Framework3rd Step2nd StepOptimise Detailed StructureDefine Load Allocated to Each PartFig.2 Development Approach3.目標性能実現に向けたボデー構造の理想化CX-5の構造の特徴を狙いと適用技術を含めて紹介する。3.1フロントフロア下フレーム原理原則に基づきフロントフロア下フレームをストレートに配置し,フロントフレームとリヤサイドフレームを連続して結合する構造を発想した。しかし,自他車種をベンチマークしてもクロスカントリの一部の車種を除きSKYACTIV-BODY構造と同じ車は存在しなかった。この発想が正しいのかCAE解析により検証を重ねた。これまでの構造に加え様々なケースで解析を実施しCX-5の構造が最も衝突安全性能や車体剛性に有利であることを確認した(Fig.3)( B_FRAME)。Fig.1 SKYACTIV-BODY Vision2.2基本コンセプトボデーの理想の骨格を実現するためのコンセプトを①基本骨格のストレート化②連続フレームワーク③マルチロードパスとして開発構想を立案した。しかし従来の開発では他の部品との開発タイミングにずれがあり,その既存部品の制約により理想構造が取れない場合が発生する。そこで今回のSKYACTIV-BODYの開発においては,4番目のコンセプトとして下記に取り組んだ。④車両トータルでもベスト開発の初期段階から企画・開発・生産の各部門が協調して従来の制約や常識を見直し,パワートレインを含めた車両全体の新規開発を同時に進めることでお互いの理想構造Current modelCX-5A TypeCAE AnalysisStrain ReductionB Type C Type D Type E TypeFig.3 CAE AnalysisBroken surfaceDeformation Volume ofFloor Increasedベンチマーク結果を技術的に分析し,詳細構造の決定に反映した。検証を積み重ねることで,確かな開発を行った。―104―