ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

No.30(2012)マツダ技報4.2設備投資のミニマム化溶接工程数の削減や金型数削減にも取り組み,設備投資を抑制した。例えば溶接工程では,部品の組み合わせにより,これまでは溶接作業を複数回に分けて行っていたが,1工程で溶接を可能とする構造に見直し,溶接機への投資を削減した。また,プレス加工では,複数回プレスして成形していたものを,形状工夫によりプレス回数を削減し,金型数を削減した。Weak Point of Initial CAEResult1.Ridgeline2.Radius End3.Spotweld Work HoleCountermeasureStrucyureAdd ReinforcementAdd GussetMove Hole Location5. CAEの取り組みFig.13 Rigidity Structure ImprovementSKYACTIV-BODYからCX-5での変更部位に注力し,性能確認を行いながら,材料歩留りや生産性を考慮した詳細設計を行っていくため,プラットフォーム開発の段階で3回,トップハット開発の段階で4回のCAE検証を実施した(Fig.12)。TechnologyDevelopmentPlatformDevelopmentPurpose of EvaluationTophatDevelopmentPurpose of EvaluationSKYACTIV-BODYUnder Prototype Drawing☆V1 V2 M11. Basic DesignEvaluation2. ChangeEvaluation3. CoreletionFinal Drawing☆Mass Production☆V0 V1 V2 DCV1. Tophat 2. Modified4. ConfirmationEvaluation Styling Evaluation 3. DesignChange EvaluationDevelopment Complation☆Fig.12 CAE Application Processここでは,CAE検証の回数は従来の車種開発と同じとしながら,モデル作成の効率化や評価期間の短縮により,車体の金型作製に着手するまでのタイミングを早めている。また,プラットフォーム開発では試作車によるテストを行っているが,トップハットは量産金型を使った開発確認車での性能確認であり,CAEをはじめとした机上検証により詳細仕様を決定している。取り組みの事例として,高剛性ボデー開発におけるリフトゲート開口部構造の改善について述べる。この部位はリヤサスペンションへの上下入力や旋回時の左右力を受けることにより,開口部の対角線が伸び縮みする変形が起こる。クルマとの一体感を実感できる走りや思いのままのコーナリングを実現するためには,この変形を小さく抑えていく必要がある。開発初期のCAE結果より,環状構造による基本骨格の大幅な改善が見られるものの,断面の稜線やコーナのR止まり部,SW接合のための作業穴などの詳細な箇所に弱点部があることが分かったため,構造改善のCAE検討を繰り返し実施しながら設計仕様を決定していった(Fig.13)。また,剛性アップによる質量増加を抑えるために,板厚感度解析や最適化などのCAE手法を用いながら詳細設計を進めることで,車体構造の効率化を実現している。6.結果6.1車体剛性値SUVの同セグメントにおいてトップクラスであり,欧州のCDカークラスのプレミアムセダンと同レベルのねじり剛性値と軽量化指数を達成した(Fig.14)。GoodEUEUEUEU EUEU EUJPNEUJPNRigidity:16%UPEUTorsional stiffness (Nm)mRKLight weight index L=CT x AmRK =Body massCT =Torsional stiffnessA =Area (track x wheelbase)Current SUVEUCX-5EUEUFig.14 Light Weight IndexHigh rigiditySUVSPWSDN5HB6.2衝突安全性能主要市場のNCAPを網羅的対応し,Euro-NCAPの5星獲得を皮切りにトップランクを獲得予定である。更に米国IIHS(道路安全保険協会)による衝突安全試験で最高評価の「トップセーフティピック2012」を獲得した。6.3軽量化これまでに紹介した構造見直しや材料見直しにより,従来車から比べて10%(36kg)軽量化した。これはCX-5と同セグメントの最軽量ラインより8%軽い数値である(Fig.15)。Material optimization:-2%Structure optimization:-7%Size of the car:-1%Current SUVWeightFig.15 Weight Reduction10%(36kg) lighterCX-5Weight:Body-in-whitewithout doors, closures and fender―107―