ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

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概要

マツダ技報 2012 No.30

マツダ技報No.30(2012)の高いレイアウト配置へ見直しを行った。これによりモータ筐体内に搭載することが可能となり,インバータ~モータ間の電力ケーブルは以前のシステムでは9本あったものをFig.4に示したようにインバータからの三相交流電源線(Three-phase AC)の3本のみとすることができた。またインバータ,モータは電力ケーブルを削減することによって筐体構造を簡素化でき,軽量化合計で約7kgの重量低減を達成,高出力高効率でありながら小型軽量化が実現できた。MotorU V WNeutral B Neutral AInverterThree-phase ACFig.4 Motor-Drive Structure of DEMIO EV3.巻線切り替え制御技術3.1巻線切り替え時のトルクショックと過大電流の抑制(1)トルクショックや過大電流の発生原因モータを制御するインバータ内の制御ループは,モータを等価な回路定数(Ld,Lq,R,Ke)として内部に持っており,目標トルクを発生させるために回路定数に基づいてモータに流す電流の大きさや位相を適切に制御している(Fig.5,式(3・1))。デミオEVは巻線切り替え機構を有しているため,モータ回路定数は低速巻線と高速巻線の2種類あり,巻線切り替えの際にインバータ内の制御ループの回路定数(Controllerparameter)の切り替えを行っている(Fig.6)。実際の巻線切り替え時には,制御ループの回路定数(Controller parameter)は巻線切り替え指令(Controllercommand)と同時に瞬時に切り替わるものの,実機側の巻線状態(Winding state)はソフトウェアの構造上の制約により巻線切り替え指令(Controller command)から最大で1制御周期遅れて切り替わる。これは制御ループが一定周期で動作しているのに対し,巻線切り替え制御は三相電流位相に連動しているためである。この間は制御ループの回路定数(Controller parameter)と実機側の巻線状態(Winding state)には乖離が生じている。この乖離によりq軸電流フィードバック値(iq feed back)との偏差が大きくなりインバータ内の制御ループは過大な電流指令値(iq reference)を発することになる。そして次の制御周期で巻線側は高速巻線に切り替わり,インピーダンスの低い高速巻線に電流が一気に流れ込み,q軸電流(iq)がオーバシュートしてこれによりトルクショックが発生,また過大電流が発生する(Fig.6)HighController commandLowController parameterLowHighWinding stateLowHighd軸idiq reference100%RvdLdvqNSq軸Lq R iqωFig.5 d-q Equivalent Circuit Model of Motoriq feed backFig.6 No-Countermeasure Against Deference on theControl0%0%100%.1 2 3Control cycle?vd?? ? ??vq??R??? pLd?Ld-?Lq??id?? 0 ???? ?R ? pLq? ???iq???Ke?(3・1)vd : d軸電圧, vq : q軸電圧, R :巻線抵抗,? :角速度, Ld : d軸リアクタンス,Lq : q軸リアクタンス, idiq : q軸電流, Ke :誘起電圧定数: d軸電流, p : d/ dt ,―122―