ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30
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マツダ技報 2012 No.30
マツダ技報No.30(2012)ニットと通信を行うユニット(以下BCU(バッテリコントロールユニット)),パック外への高電圧の供給・遮断を行うコンタクタ,車両整備の際に高電圧を遮断するサービスプラグ及び急速充電時等にエアコンからの冷却風を取り入れるためのファン等で構成される。Service PlugLi-ion BatteryFanこのパック形状制約条件に対応するため,レイアウト自由度の高い薄型バッテリモジュールを開発し,それらをパック前方部分・後方部分の形状に合わせて最適配置することでスペースを有効活用し,業界トップレベルの高エネルギ密度と居住空間の両立が可能となった。2.3バッテリモジュールの構成(1)バッテリセル蓄電デバイスの基本単位であるセルに関しては,ノートパソコン用等で多くの市場実績がある18650型リチウムイオンバッテリセルを採用した(Fig.3)。18650型セルには,・高エネルギ密度である・市場実績のある汎用形式セルであるため価格が安いといった特長があり,EVの主要課題である航続距離の延長とコストの低減を両立するために最適であると判断した。Contactor,Current sensor,etc.Fig.1 Configuration of Battery Pack2.2バッテリパックのレイアウトバッテリパックは前後車軸間の客室の下にレイアウトされている。これはベース車で実現している居住空間,荷室容量はそのままに確保しつつ,低重心・ヨー慣性モーメントの低減による“Zoom-Zoom”な走りの実現のためである。更には,万が一の衝突の場合,あらゆる方向からの衝突に対して最もバッテリを保護できるためである。ただし,ベース車であるデミオのガソリン車のパッケージングにおいて,床下の形状は,前席の乗員着座位置の下は車両の前後方向には比較的空間があるものの,上下方向には余裕がない。逆に後席の乗員着座位置の下は車両の上下方向には比較的空間があるものの,リヤサスペンション部品との関係から前後方向には余裕がない。このような客室床下の特徴と車両の最低地上高確保の観点からバッテリパックの形状は前方部分の高さが低く,後方部分の高さが高い特徴的な形状に制約される(Fig.2)。Fig.3 18650type Battery Cell(2)バッテリモジュールFig.4にモジュール構成概要を示す。今回採用した18650型セルは小型であるため,セル1個当たりの容量(Ah)が小さい。従って,車載適用する場合は複数のセルを並列接続し,容量を確保する必要がある。デミオEVにおいては,車両としての必要容量及びモジュール化の際の汎用的な形状を考慮して20個のセルを並列接続して基本セルブロックを構成し,このセルブロックを直列接続してモジュールを構成した。Parallelconnection・・・CellSeries connectionCell Block(20 parallel cells)・・・・・・Battery PackFig.2 Layout of Battery Pack・・・・・・ModuleFig.4 Configuration of Battery Module―126―