ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

特集:新型車(デミオEV)27マツダ技報No.30(2012)感電安全を考慮したワイヤハーネス設計の紹介Wire Harness Design for Electric Shock Prevention佐藤宏樹*1松川剛志*2Hiroki SatoTakeshi Matsukawa要約マツダは環境技術としてアイドリングストップシステム「i-stop」や減速エネルギ回生システム「i-ELOOP」を搭載した商品を順次市場導入している。マツダは1966年にEV開発に着手し,これまでに約70台のEVを市場導入してきた。デミオEVは将来の本格的な量産に向けた取り組みとして,現行デミオの基本構造を共通化しつつ,EV用機器(以下高電圧機器という),及びワイヤハーネス(以下高電圧ハーネスという)を搭載するコンセプトで開発したものである。デミオEVは動力として高電圧を使用しているため,人体への感電防止と従来と同様の信頼性を両立した設計に加えて,今後段階的に導入予定の電気デバイスを含めたEVプラットフォームの構築を目指した。SummaryMazda has been launching new products equipped with environmental technologies such as anidling stop system,“i-stop”, and a regenerative braking system,“i-ELOOP”.Mazda has started EV development since 1966, and released about 70-sets EV. Among suchproducts, the DEMIO EV is positioned as the next action for future full mass production, using acommon base-structure with the current DEMIO, and installing the devices for EV (high voltagedevices) and wire harnesses for connecting them. As the car uses high voltage for its power, anelectric shock preventive design is considered while high reliability is kept as before. The EVplatform is constructed in view of other electric devices to be incorporated step by step.1.はじめにマツダは段階的にアイドリングストップシステム「istop」,減速エネルギ回生システム「i-ELOOP」,モータ駆動技術などの電気デバイスを導入する「ビルディングブロック戦略」(Fig.1)を推進しており,今後導入する商品においては,パワーソースを内燃機関に加えて高電圧の電気デバイスを段階的に採用し,優れた環境性能の実現を目指している。一方,車両の高電圧化は,高電圧という新たな危険因子を市場へ追加することを意味する。これら高電圧機器を接続する高電圧ハーネスも,従来と同様の信頼性と安全性を確保するだけでなく,機器の高電圧化に伴う人体への感電防止を考慮した設計が必須である。本稿では,高電圧システム搭載における感電安全を考慮したワイヤハーネスの設計の取り組みを紹介する。Fig.1 Building Block Strategy (1)*1, 2電子開発部Electrical and Electronics development Dept.―140―