ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

No.30(2012)特集:安全28マツダ技報マツダの安全性向上の取り組みMazda's Improvement Measure in Safety竹本崇*1下野博典*2中野隆裕*3渡辺通成*4Takashi Takemoto Hironori Shimono Takahiro Nakano Michinari Watanabe要約自動車の安全性能を高め続けることは,自動車企業として必要不可欠な活動である。2007年にサステイナブル”Zoom-Zoom”宣言を掲げたマツダの安全への取り組みの考えは,「ドライバを信頼・尊重して運転状況を正しく認識し,判断・操作を支援するだけでなく,事故リスクが拡大している時には,ドライバに気づかせてリスク拡大の回避行動を促し安全に運転している状態を拡大する。更に,ミスをゼロにはできない人間の本質を理解した上で,時として避けられないドライバのミスにも対応し,事故被害の防止・軽減をサポートする技術も提供していく」ことである。また,安全技術は世の中に普及してこそ価値を発揮する。マツダは,こうした安全技術の普及も目指していく。SummaryA continuous improvement of a vehicle safety performance is an indispensable acitifiry for an automobilecompany. Mazda, that published a sustainable“Zoom Zoom”declaration in 2007, has been executing safetyactions based on the philosophy that“while trusting and respecting drivers, Mazda not only supports drivers tocomprehend a driving condition and assists drivers to make a correct judgment and to execute appropriateoperations, but also to help drivers to extend a safe drivable conditions by notifying a driver of a risk to them byfacilitating avoidance activities of a risk increase when an accident risk is evolving. Furthermore, understandingthe human nature, unfortunately, can never eliminate all errors to zero, Mazda’s vehicle addresses a driver’sunavoidable mistake by developing and providing technology that prevents and alleviates damages as a result ofan accident.”Mazda recognizes that a safety technology can demonstrate its true value of technology only whenthe technology is prevalent. Mazda aims to permeate a safety technology throughout communities.1.はじめに2.自動車の安全性能向上への取り組み自動車の安全性能を高め続けることは,自動車企業として企業活動を持続する上で,必要不可欠な活動である。マツダもこれまで継続的に安全技術を開発育成し,自動車製品としての安全性能向上を行ってきた。こうした脈々とした安全性能向上への取り組みの根底にある使命や意味(第2章),マツダとしての安全への取り組みの考え方(第3章),更に実際に市場導入を行ってきた安全技術の全体像(第4章)を説明紹介し,これからの安全技術を展望する(第5章)。2.1自動車の役割自動車は交通移動の手段として,その利用者の意志によって,自分だけでなく複数の人や物を運ぶことを可能にする。また,利用者がいつでも使えるだけでなく,その人の行動半径を広げて社会活動や経済活動を充実化させ,生活を豊かにすることに貢献してきた。つまり,自動車とは,人々の暮らしの中に深く浸透し,人々の経済活動,社会活動とともにある欠かせないものである(1)。一方で,環境(エネルギ資源消費,CO2排出など)や,交通安全(事故による損失など)の点において,社会的費用を発生させている(2)。こうした社会*1~4技術企画部Technology Planning Dept.―145―