ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30
- ページ
- 156/264
このページは マツダ技報 2012 No.30 の電子ブックに掲載されている156ページの概要です。
10秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは マツダ技報 2012 No.30 の電子ブックに掲載されている156ページの概要です。
10秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
マツダ技報 2012 No.30
No.30(2012)マツダ技報Basic PolicyDeliver "Driving Pleasure" and "ExcellentEnvironment/Safety Performance" to all customerswho buy Mazda's vehicles.Envir onm e ntEnvironmentSafetyFig.3 Sustainable“Zoom-Zoom”AnnouncementSafety3.2マツダが実現を目指す安全の姿前述のような考え方に則って全てのお客様に安全性能を提供していくが,「どのような安全の実現を目指していくか」について,以下のように考えている。①ハインリッヒの法則を拡張して考えると,事故の陰には,『事故に至らなかった”ひやり”や,”あわや”というミス』があり,更に『普段の運転におけるストレス・不安・不便・疲れ』という運転集中の阻害因子が存在している(Fig.4)。事故の結果に対応するのではなく,事故に至る過程の中で,可能な限り,こうした潜在的な要因に対策することによって安全を確保していく。②ドライバを安全確保の主人公と考え,ドライバを信じて尊重し,ドライバに対して行き過ぎた介入は行わない。クルマは,ドライバが正しく運転状況を認知して判断できるように支援して,安全に運転していただけるようにする。それだけでなく,時としてミスを起こしてしまう人間を理解し,ミスを避ける技術や重大な事故につなげない技術の提供を通して安全を確保していく。こうした考え(MAZDA Proactive Safety)の全体像を事故までのリスクの程度・段階に応じて構造的に整理したものが,Fig.5である。まず,お客様の普段・平常時における運転の不安・ストレスを取り除き,集中して運転をしていただけるシーンを拡大したいと考えている。具体的には,良好な運転環境の追求(視界視認性,操作性,操縦安定性の基本機能向上と安全装備など)により,お客様が運転状況を正しく認識できるように支援し,正しい判断,正しい操作ができるように,安全に安心を感じて運転している状態を最大化していく。事故のリスクが発生し拡大している時には,クルマ側のセンシング機能を使ってドライバにその危険に気づかせて,ドライバ自身による回避行動を促し,安全な状態に戻していく。こうした積極的に早めに事故に至るリスクに対応し安全に運転している状態を拡大していく(Fig.6)。更に,ミスやエラーをゼロにはできない人間の本質を理解し,時として避けられないドライバのヒューマン・エラーに対しても,可能な限り発生を防ぎ,「もしも」の場合は,車の安全機能によって,事故被害を軽減する。事故に至る時間的猶予が,ドライバ自身による事故回避行動の必要時間より短くなった場合には,ドライバ自身による安全確保はできない。こうした状況になった場合は,車が事故に備えて,重大な事態を引き起こさないようにドライバを守る。こうした人間尊重と人間理解に基づいた安全技術提供を通じて,ドライバの安全安心な運転を支えていく。可能な限りリスクが拡大しないように早めのリスク解消をするために,事故リスクの状況に合わせた対応を行うが,安全対策のアプローチは,「もしも」から考える(結果対策から考える)対応ではなく,普段・平常時から考える(普段の運転の質を高め,事故に至る原因の芽を早期に摘み取る)ことを充実させていこうとしている。1Accidents1Serious accidents29Slight accidents300Minor accidents but a "close call"29Serious mistakes which did notcause accidents marginally butclose to an accident300The stress,uneasiness,inconvenience,andfatigue during ordinary driving operations(inhibitory factors for driving concentration)Fig.4 Structure of the Background of Accidents1) The situation where an accidenthas occurred2) The situation where a riskis being developed3) The situation where adriver is driving safelyFig.5 Safety Mazda aims to RealizeTodayFig.6 Expansion of SafetyFuture―147―