ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

No.30(2012)マツダ技報5.2内装開発へのCAE適用事例次に,前面衝突において乗員傷害値予測にCAEを適用した事例を紹介する。Fig.13に前面衝突の際に乗員の頭部および胸部がエアバッグとシートベルトにより拘束された状態を示す。頸部の傷害を軽減するためには,頭部がエアバッグに拘束される際の頭部への入力を制御することが重要である。CAEを活用することで,Fig.14に示すように,衝突過程の頭部とエアバッグの接触状態を詳細に分析し,改善の検討を行うことができる。この場合,エアバッグ形状や,圧力の制御を最適化することで,Fig.15に示すように頸部への入力を効果的に削減できた。Fig.13 Comparison of H3 50%ile Dummy KinematicsUnder J-NCAP Conditionとに貢献した。Fig.16 Improvement of Development Process6.おわりに高精度な車体と内装そしてダミーモデルを組み合わせ,車体変形挙動から乗員傷害値まで予測可能なCAE技術を開発した。この技術をSKYACTIV-ボデーの開発にフルに適用した。その最初の商品であるCX-5では,すでに米国のIIHS,欧州NCAPで最高レベルの評価を受けている(Fig.17)(*1)。今後も高い安全性能に裏打ちされた“Zoom-Zoom”な商品をお客様にお届けするため,現状に満足することなく衝突安全CAE技術の進化に取り組んでいく。Fig.17 CX-5 Safety Assessment Result (USA, Europe)(* 1) 2012年7月時点。■著者■Fig.14 Analysis of Neck Injury Mechanism河野勝人朝日龍介杉本繁Fig.15 Improvement of Neck Injury以上のような乗員傷害値予測技術は,前面衝突だけでなく側面や後面衝突にも適用している。その結果,CX-5の開発においては,Fig.16に示すように,従来車に比べ,CAEによる図面段階での性能評価項目数を270%拡大し,開発の最終段階における開発確認車による内装部品に関する設計変更要求を70%削減させ,計画通り市場導入するこ上野正樹小島宏介花田裕―155―