ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30
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マツダ技報 2012 No.30
マツダ技報No.30(2012)特集:安全30低速域衝突被害軽減システムの概要Outline of the System forLow-Speed Collision Damage Reduction細田浩司*1後藤多加志*2高橋恭宣*3Koji Hosoda Takashi Goto Kiyonobu Takahashi久米孝則*4安松洋仁*5三戸手亮太*6Takanori Kume Hirohito Yasumatsu Ryota Mitote要約日本国内で発生している車両事故の約37%が追突によるもので,更にその約67%が30km/h以下の低速域で発生している。また,同様に近年,多くの発生事例がみられるのがAT車での誤発進事故である。マツダはこの事実に着目し,低速域での事故被害軽減に特化した先進安全技術,「スマート・シティ・ブレーキ・サポート(以下,SCBS)」と「AT誤発進抑制制御」を新たに開発し, CX-5に搭載した。SCBSは,追突による衝突を予測して自動ブレーキを作動させるシステムであり,一方,AT誤発進抑制制御は,AT車でのペダル踏み間違いによる発進時にエンジントルクを抑え,急発進を抑制するシステムである。本稿ではマツダ初となるこれら低速域衝突被害軽減システムの概要について紹介する。SummaryIn Japan, about 37% of the car accidents occurred in the markets was rear-end collisions, of them,67% was occurred at 30 km/h or lower speeds. Similarly, in recent years, a number of accidents causedby false departure of AT have occurred. Focusing on this fact, Mazda newly developed a“Smart CityBrake Support”and an "AT False Departure Restraint System", an advanced safety technologyspecialized in reducing the damages of collisions occurred at low speeds, which is applied to the CX-5.The Smart City Brake Support is an automatic brake system that predicts the occurrence of a rearendcollision and operates the automatic brake, and the AT False Departure Restraint System whichreduces the engine torque to inhibit sudden acceleration caused by misapplication between the brakepedal and the gas pedal of AT. In this paper, the general outline of Low-speed collision damagereducing system which is Mazda’s first time production is reported.1.はじめに2.車両事故の実態マツダでは技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言」に基づき,全てのお客様に「走る歓び」と「優れた環境安全性能」を提供することを目指している。そのなかで今回,車両事故で多く発生している低速域での車両事故に対して衝突被害を軽減する先進安全技術,「SCBS」及び「AT誤発進抑制制御」を新たに開発し,CX-5に搭載した。以下にその技術を紹介する。国内で発生している衝突事故を類型別に見てみると,Fig.1に示すように追突事故が全体の約37%を占め最多となっている(1)。更に,追突事故発生時の車速分布をみてみると,その約67%が時速30km/h以下の低速度域で発生していることがわかる(Fig.2)(2)。また,同じく車両事故で多く発生しているのがAT車での誤発進による衝突事故である。これは主にシフトやペダルの誤った操作によるもので,国内における事故発生件数*1~6車両システム開発部Vehicle System Development Dept.―156―