ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

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概要

マツダ技報 2012 No.30

No.30(2012)マツダ技報は年間約7,000件程度でここ数年推移している(3)。特にブレーキペダルとアクセルペダルの踏み間違い事故は,高齢者での発生頻度が高く,75歳以上での発生率は24歳以下の発生率に比較して約3倍となっており(3),ドライバの高齢化に伴い今後の増加が予想される。また,ペダル踏み間違い事故による死亡率は高く,全交通人身事故平均の約17倍となっているのが特徴で(3),重大事故につながる可能性が非常に高い。このように比較的低い車速域で発生している多くの衝突事故を軽減することができれば,交通事故全体の被害軽減に効果的であるといえる。Others5%Single vehicle crash7%Pedestrian-car collisions9%Turning collisions15%Rear-end collisions37%制制御」,のふたつの機能で構成する。4.1システムの機能(1) SCBS約4km/h~30km/hの低速走行中に先行車との衝突の危険性がある場合,[STEP 1]先ず,ブレーキプレフィルを作動させてブレーキの遊びを詰め,ドライバのブレーキ操作に対して即座に制動力を発揮できるよう準備する。[STEP 2]更に,ドライバが衝突回避操作を行わず,システムが衝突回避できないと判断した場合は衝突被害軽減ブレーキを作動させ,減速することで追突事故による被害を軽減する(Fig.3)。なお,SCBSによるブレーキプレフィルからブレーキ制御中にドライバ自身による回避操作(操舵やアクセル操作)があった場合は,ドライバ操作を優先させ,SCBSによる制御を速やかにキャンセルするオーバライド機能も備えている。Crossing collisions27%Fig.1 Types of Traffic Accident (1)[STEP 1]Electronic Brake PrefillPercentage35%30%25%20%15%10%5%0%100%90%Percentage80%Cumulative Percentage70%60%50%40%30%20%10%0%0 -10 -20 -30 -40 -50 -60 -70 -80 -90 90-Vehicle Speed [Km/H]Fig.2 Distribution of Vehicle Speed in the Rear-endCollisions (2)3.開発のねらい今回,CX-5に導入した低速域衝突被害軽減システムは,「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言」に則り,全てのお客様に提供できる優れた安全性能の実現をねらいとして開発した。このねらいを具現化するために,システムの機能と目標性能を見極め,高い事故被害軽減効果が期待できる領域に絞り込むことで,「高い安全性能」と「アフォーダブルなコスト」を両立することを目指した。Cumulative Percentage[STEP 2]Automatic Emergency BrakeFig.3 Functional Overview (SCBS)(2) AT誤発進抑制制御停車,または10km/h以下の徐行中,前方に車両や障害物がある状態でアクセルペダルが所定以上に踏み込まれた場合,警報音とメータパネル上の警報表示によってドライバに注意喚起し,アクセルオフ操作を促すとともにエンジントルクを抑制して車両の急発進を抑え,前方車両・障害物との衝突による被害を軽減する(Fig.4)。w/ function w/o functionErroneous pedal operation (Full throttle caused by pedal misapplication)4.低速域衝突被害軽減システムの概要低速域衝突被害軽減システムは,先行車への追突による衝突被害を軽減する「SCBS」と,AT車でのペダル踏み間違いによる誤発進時の衝突被害を軽減する「AT誤発進抑Warning and reduce eingine torque Peel outFig.4 Functional Overview(AT False Departure Restraint System)―157―