ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

マツダ技報No.30(2012)特集:安全32フォワード・センシング・カメラの開発Development of Forward Sensing Camera内海将司*1原田司*2遠野安広*3Masashi Utsumi Tsukasa Harada Yasuhiro Enno要約近年,日本では交通事故による死者数が大幅に減少傾向にあるが,負傷者数や事故発生件数は,依然増加傾向である。また,車線逸脱が起因の車両単独事故や,夜間の対歩行者事故件数の割合は高い傾向にあり,運転支援・予防安全技術への期待が高まっている。マツダでは,ミリ波レーダを使った予防安全技術を2006年から,近赤外線レーザを使った予防安全技術を2012年から量産化している。本稿では,マツダ初の画像認識技術を活用した予防安全技術として,単独衝突事故低減効果が期待される「車線逸脱警報システム:LDWS(Lane Departure WarningSystem)」と,夜間歩行者事故の未然低減効果や,夜間のハイビーム切り替え操作の負担低減による夜間視界向上が期待される「ハイビーム・コントロール・システム:HBC(High Beam ControlSystem)」について,システムおよびその技術を紹介する。SummaryRecently the number of traffic accidents and death toll are sharply decreasing in Japan, but thenumber of injuries and accident frequency rates are still on the rise. Especially, the rates of singlecaraccidents caused by lane departures and pedestrian accidents at night are still high, andrequirements for driving support and active safety (preventive safety) technologies are rising.This year Mazda has started the mass productions of the active safety technologies usingmillimeter-wave radars and near-infrared lasers. The active safety technologies using Mazdaoriginated-imagerecognition technology,“LDWS: Lane Departure Warning System”and“HBC: High Beam Control System”are introduced in this paper.1.はじめに近年,日本では,交通事故による死者数が大幅に減少傾向にあるが,負傷者数や事故発生件数は,依然増加傾向(1)である。また,車線逸脱が起因の車両単独事故や,夜間の対歩行者事故件数の割合は高い傾向(2)にあり,運転支援・予防安全技術への期待が高まっている。マツダでは,ミリ波レーダや近赤外線レーザを使った予防安全技術を既に量産化している。本稿では,マツダ初の画像認識技術を活用した予防安全技術として,「車線逸脱警報システム:LDWS(Lane Departure Warning System)」と,「ハイビーム・コントロール・システム:HBC(High BeamControl System)」について,システムおよびその技術を紹介する。2.システム構成2.1フォワード・センシング・カメラ(FSC)今回マツダが開発したフォワード・センシング・カメラには,カラーCMOSセンサ(画角水平45度,垂直24度)と白線認識アルゴリズムと夜間の光源物標検出/先行車,対向車識別アルゴリズムが搭載されており,また,車線逸脱判定やハイビーム/ロービームの切り替え判定を行う情報処理演算装置(ECU)も内蔵されている(Fig.1)。*1~3車両システム開発部Vehicle System Development Dept.―166―