ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

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概要

マツダ技報 2012 No.30

No.30(2012)マツダ技報CAMERAFSCFig.1 Sensor Layout3.システム概要3.1車線逸脱警報システム(LDWS)(1)車線逸脱事故の現状国内事故統計によると,車線逸脱に起因する車両単独事故および正面衝突事故の件数は死亡・重傷事故件数の約70%と高い(3)。その車線逸脱事故のインフラ側の対策として,Fig.2に示すようなランブルストリップスの設置を進められているが,全ての道路(自動車専用道,一般道含む)への展開は難しい。欧州,北米でも同様に車線逸脱に起因する事故件数は高い傾向にあり,本システム装着による事故低減効果が期待される。脱したときに警報を行う。だだし,本システムでは,さまざまな車両状態量に基づく,ドライバの運転意思を推定しており,意図的な車線変更や,やむを得ない逸脱時(ウィンカを出して車線変更したときや,障害物を回避するなど)は,警報をしないようにしている。(4)システム表示/警報メータインジケータおよびLCDディスプレイにシステムの作動状態を示す(Fig.4)。車両が左右いずれかに逸脱したと判断された場合,インジケータを点滅させるとともに,ディスプレイ(ディスプレイ装着車のみ)に左右どちらの方向に逸脱したか表示する。同時に,左右いずれかの逸脱した側のフロントスピーカから,ランブルストリップスを踏んだ時に発生するロードノイズを模擬した警告音を吹鳴する(純正オーディオ装着車のみ,それ以外はメータブザーのみ)ことで,ドライバに車線逸脱状態を報知し,安全な運転操作を促す。( : LDWS )Fig.2 Rumble Strips(2)システム構成2.1で示すフォワード・センシング・カメラで,車両前方の白線を検出し,自車前輪との位置を推定するとともに,アクセルやブレーキペダル操作量,ウィンカ操作,車両加減速度など,さまざまな車両情報から車両の逸脱状態を判断する。フォワード・センシング・カメラで判断した情報に基づき車両ネットワークを介してメータ表示,および警報吹鳴を行う(Fig.3)。Fig.3 LDWS System Structure(3)システム作動条件インパネに設置されるLDWSスイッチをONにした状態で,車速40km/h(欧米では65km/h)以上で車線を逸Fig.4 LDWS Warning Displayマツダの車線逸脱警報システムで採用した警報手段は,上記ディスプレイ表示と,インフラ側の車線逸脱防止策として広く普及しているランブルストリップス音を模擬した警報音を逸脱方向から吹鳴する方式を採用した。K.Kozakらの研究(4)によると,車線逸脱警報システムの警報手段としてランブルストリップスを模擬した音を吹鳴する方式とすることで,欧州車で多く採用されているステアリング振動による警報手段よりも,左右の逸脱方向を知らせることで同等以上のドライバ反応と正確な回避操作が期待できる。(5)ランブルストリップ音の育成車線逸脱警報にランブルストリップ音を模擬した音を採用するにあたり,各国のランブルストリップスが設置されている道路を実際に走行して発生音を体感,収集し音作りの参考とした。また,日本,米国および欧州に設置されているランブルストリップス施工基準(5)を調査し,凹凸のピッチ幅(Fig.5)の大半が0.3mであることからタイヤが溝を通過するときに発生するノイズ(=ランブルストリップス音)は各国共通であると考え,共通音源とした。音源は,実際にランブルストリップスを踏んだ時にドライバが聞こえる周波数帯域にピークを持つ警報音となるよう,試行錯―167―