ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30
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マツダ技報 2012 No.30
マツダ技報No.30(2012)Fig.1 Advanced Key本技術開発では,車室内にレイアウトされる125kHzの周波数を使用したLFアンテナの磁界分布特性を,CAEにより予測する技術を開発し,高精度な机上検証を可能としたので,これを報告する。2.アドバンストキーレス開発の現状2.1アドバンストキーレスの性能開発における問題車両に搭載されるアドバンストキーレス用LFアンテナのレイアウト例をFig.2に示す。Outside Detection LF Antennaできる開発の後期で初めて問題が発覚する場合があり,LFアンテナのレイアウト変更などが必要となる。そこでこれらレイアウト変更をなくすべく,机上でLFアンテナのレイアウト設計を可能とする技術開発を行った。LF AntennaZYXVehicle Model Analysis ModelFig.3 Vehicle Model and Analysis Model1565mmZ800mmLF AntennaHighXLF Antenna : Center1565mmLowInside Detection LF AntennaFig.2 Layout of LF AntennasLFアンテナは,車室外送信用と車室内送信用に分けられ,1本当たりの検知エリアは半径約1~2mである。車室外送信用のLFアンテナは,運転席と助手席のアウタハンドル内や,リヤバンパ内にレイアウトすることで,十分な検知エリアを確保できる。一方,車室内送信用のLFアンテナはダッシュボード内部やリヤフロア上にレイアウトする場合が多く,車両のボデー形状をはじめとした様々な金属部品により影響を受け,検知エリアが複雑に変化する。そのため,車内の検知エリアを十分に確保できず,キーが車内にあるにも関わらずエンジン始動ができないという問題や,車内の検知エリアが車外に漏れることにより,キーが車外にあるにも関わらずエンジン始動ができてしまうなどの問題を引き起こす。2.2性能予測技術の必要性車室内における磁界強度分布の事例を示す。Fig.3は,車両を簡易的なモデルとして模擬した計算モデルである。Fig.3の計算モデルをベースとして,LFアンテナをX軸方向に±20mm移動した場合の磁界強度分布を,CAEで計算した結果をFig.4に示す。この結果からわかるように,LFアンテナのレイアウトが数十mm移動すると,磁界強度分布が大きく変化する。このように,磁界はボデーの構造物など様々な金属形状の影響を受けやすく,検知エリアも同様に,LFアンテナのレイアウト変更やボデー形状の変更で複雑に変化する。そのため,量産形状と同等の試作車が800mmLF AntennaZHighXLF Antenna : +20mm Low1565mm800mmLF AntennaHighZXLowLF Antenna : -20mmFig.4 Magnetic Field Strength Distributionvs. LF Antenna Layout3.磁界CAE開発車室内の検知エリアを机上で検証可能とするために,磁界CAE技術開発に取り組んだ。最初に簡易モデル検証を行い,次に実車モデル検証を行った。最終的には,磁界通信を応用したその他システムの検証を行った。3.1簡易モデル検証CAEに必要なLFアンテナや実車モデルの材料特性,メッシュサイズを明確化するために,(1)自由空間におけるLFアンテナ単品の磁界強度分布,(2)車両ボデー相当の簡易金属モデルにおける磁界強度分布について,実測と―182―