ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30

ページ
193/264

このページは マツダ技報 2012 No.30 の電子ブックに掲載されている193ページの概要です。
10秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

マツダ技報 2012 No.30

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

マツダ技報 2012 No.30

マツダ技報No.30(2012)Case1とCase3は,金属の磁気特性が異なり,磁化特性が線形もしくは非線形であるかによって異なる。本結果からこれら磁化特性が計算結果に影響を与えないことが判明した。モデルの物性値を車両ボデー相当とし,渦電流による影響を考慮することで,簡易金属モデルにおいても,磁界強度は実測値と一致することが判明した。次に,Case3とCase5の結果を比較する。磁場解析では,式(2)に示すように,金属モデルの表面を表皮深さ分,複数の層に分けてメッシュを作成する必要があり,Case3の簡易金属モデルでは,4層のメッシュを作成している。一方,Case5はSIBCを適用し,簡易金属モデル表面のみに電流が流れるように計算を行うことで,メッシュの層構造を1層としている。Case5の結果より,SIBCを用いることで,表皮効果を考慮した場合と同等の結果が得られ,モデルのメッシュ層を複数考慮する必要がないことが判明した。これにより,数十万のメッシュ数を削減でき,モデル作成時間や計算時間の短縮が可能となった。Analysis Range2.5mFig.10 Analysis RangeTable 2 Analysis Condition0m? ?1???f(2)? : Skin Depth? : Magnetic Permeability? : Electrical Conductivityf : Frequency3.2実車モデル検証(1)実車簡易モデル計算時間を短縮化するために,Table 1のCase5の計算条件と材料条件を用いて,実車を実物大に模擬した簡易モデルを作成し,メッシュサイズを変更した場合の計算コスト(使用メモリ,計算時間)と計算精度の関係を明確化した。Fig.9に今回CAEで用いた計算モデル,Fig.10にモデルの計算範囲,Table 2に計算条件と計算コスト,Fig.11に磁界強度の計算結果,Fig.12に計算に使用したメモリ数と計算時間の関係を示す。Fig.11 Magnetic Field Strengthin Simplified Vehicle ModelFig.9 Analysis ModelFig.11からわかるように,磁界強度減衰は,メッシュサイズによらず同等である。また,Fig.12からわかるように,Mesh3~Mesh5は計算コストがほぼ同等である。計算精度と計算コスト,更には計算結果の後処理を考慮すると,Mesh3~Mesh5が,解析モデルとして適している。しかしながら,Mesh4,Mesh5では,メッシュサイズが大きく,一部車両形状を保持しない。以上の結果より,車両形状を適切な形に保ち,精度よく,そして計算コストを抑える条件として,Mesh3の条件を用いて実車モデルを計算することとした。Fig.12 Used Memory and Analysis Time(2)実車モデル前述のメッシュサイズで作成した実車モデルを用いて,CAE計算結果と,実車の測定結果を磁界強度分布に表し,比較した図をFig.13に,実車における各測定ポイントの磁界強度をFig.14に示す。また,Table 3に,各測定ポイントにおける磁界強度の測定結果と,CAE計算結果の誤差比率[dB]と,検知エリアの大きさ[mm]に換算した結果を示す。Fig.13より,磁界強度分布の傾向は,測定結果とCAE―184―