ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30
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マツダ技報 2012 No.30
No.30(2012)マツダ技報(1)色/ツヤ/輝度の再現性の課題人間が色や光沢を知覚するメカニズムから,車室内の「光源の分光分布」と部品の「材質固有の反射特性」を正しく捕えることが重要となる。お客様が車を見る環境,たとえばショールームの環境光源を適切にする手法を確立すること,また,内装材に使われる色部品や加飾類の適切なBRDF計測手法を確立することが課題であった。(2)部品形状再現とモデル容量の課題対象となる部品の表面形状を正しく評価できる精度を確保し,車室内でIP,ドアトリム他の複数部品を同時に再現し評価可能とする必要がある。バーチャル評価を車種開発に適用するには,実用的な速度で計算できる適切なメッシュの作成手法を確立する必要があった。3.課題解決に向けた技術開発3.1課題解決(1)環境光源の計測とCG内再現分光放射計(SR-3AR TOPCON製)を用いてショールームを模擬したテスト場で分光分布を計測し,更に車室内での分光分布を計測した。Fig.4にその結果を示す。このような分光分布データを,光源ジオメトリごとに適切に設定した。一度に評価できるモデルを作成した場合に,従来約180MBのデータ容量になったものを20分の1に抑えることができた。Fig.5 Mesh Shape of Old Method (L) & New Method (R)3.2検証3.1の方法で作成したCGモデルの妥当性の検証結果を以降に示す。3.2.1色の検証実サンプルの色計測データとCGモデルの色出力値をsRGBで比較し,定量的に色の一致性を検証した。(1)検証方法Fig.6のようなφ65mmの同一シボ形状で異なる3色のサンプル1~3に対し,実サンプルはテスト場光源下の車室内で計測を実施した。計測器には光源計測と同じ分光放射計を使用した。サンプルと計測機の配置についてはFig.7に示す。計測角度は,水平面を0°とし20°/45°/60°/85°の4角度とした。サンプル1シボパターンA/黒サンプル2シボパターンA/グレーサンプル3シボパターンA/ライトグレーFig.4 Spectrum of Evaluation Environment(2)材料の適切なBRDFの計測BRDFは,計測方向軸の設定と計測角ピッチの設定に工夫を凝らし,質感再現に重要なレンジについては細密に計測した。これにより,従来手法では黒色のみの再現にとどまっていたが,色部品の計測が可能になった。また通常の設定のままでは高反射材質ではハレーションを起こし,計測ができなかったため,特殊なフィルタの追加,測定光源設定の工夫を行い,高反射材質についても適切なBRDF計測を可能とした。(3)モデリングの工夫従来は精度の良いモデルを作成するために細かいメッシュを使用していたが(Fig.5左),データ容量が膨大になり,光学計算の際に動きが遅くなり,実用性に耐えない。そこで,部品の折れ線やRを持つ部位(以下稜線)に対してはメッシュを細密に,広い面積は粗いメッシュを使用し,更に稜線に沿った長辺エッジを持つメッシュを使用することにより,精度を確保しながら,部品単品のモデル容量を抑えた(Fig.5右)。それによりコックピットの全部品をFig.6 CG Samples for Color Verification0°Light Source45°20°60°85°SampleMeas uringIns trumentFig.7 Relation between Measuring Instrument and Samples―197―