ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

No.30(2012)マツダ技報論文・解説40マツダのライフサイクルアセスメント(第3報)- CX-5 -Mazda Life Cycle Assessment (3 rd report) - CX-5 -新田茂樹*1森口義久*2Shigeki NittaYoshihira Moriguchi要約マツダは,技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言」にて,マツダ車をご購入いただいたすべてのお客さまに「走る歓び」と「優れた環境・安全性能」を提供することを宣言している。この度,革新的な新世代技術「SKYACTIV技術」を採用したCX-5は,上質で気持ちのよい走りと,優れた燃費性能を両立させている。この新世代技術「SKYACTIV技術」の環境面での改善効果を,Life Cycle Assessment(以下LCA)で確認した。その確認には,革新的な技術を評価するための新たな評価手法を用いたので,その手法とともに結果を報告する。CX-5は,従来型相当車に比べCO2排出量で,28%の削減が確認された。SummaryMazda announced the Sustainable Zoom-Zoom long-term vision for technology development toprovide all customers who purchase Mazda vehicles with driving pleasure and outstandingenvironmental safety performance.The CX-5 adopts the innovative new-generation technology, SKYACTIV TECHNOLOGY,achieving both pleasant and refined driving performance and excellent fuel efficiency.The improvement effect of the SKYACTIV TECHNOLOGY on environment was confirmed by LifeCycle Assessment (LCA). In the assessment, a new method was used, which is reported in thispaper. CO2 emission of the CX-5 was decreased from the equivalent of predecessor by 28%.1.はじめにマツダは,サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言のもと,さまざまな領域においてCO2削減など環境負荷の低減活動を行っている。その中で,自動車の製造段階,お客さまの使用段階,使用後の廃棄までのライフサイクルを通して環境負荷を定量化し,自動車の環境負荷削減を目指している。その定量化の手法としてLCAに着目し,2010年の新型プレマシー以降の新型車では,特定の燃費向上デバイスを搭載したグレードだけでなく全グレードでLCAを実施し,販売台数の加重平均値で評価を実施した(1)(2)。また,水素を燃料としたRX-8ハイドロジェンREでは,クリーンエネルギ車の新しいLCA手法を提案し,実施した(2)。2011年の新型アクセラでは,温暖化,酸性雨や光化学スモッグなどの主要原因物質を特定し,CO2,SOx,NOx,NMHCについて評価を実施した(3) (4)。今回,CX-5では,革新的な新世代技術「SKYACTIV技術」の評価手法と,最新の使用実態を反映したLCAを実施したので紹介する。2. LCAの手法2.1目的コンパクトクロスオーバSUVに採用された革新的な新世代技術の従来技術に対する環境改善効果を,確認することである。2.2インベントリ分析手法従来モデルチェンジ前後の車種で比較していたが,従来の方法では諸元の変更,新技術,仕様変更を一体で評価して*1, 2技術企画部Technology Planning Dept.―205―