ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30
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マツダ技報 2012 No.30
マツダ技報No.30(2012)いた。本稿では新世代技術と従来技術とを比較評価するため3)メンテナンス段階新しい手法を用いた。具体的には,CX-5は新開発のコンパクトクロスオーバSUVなので,既存クロスオーバSUVであるCX-7をベースにCX-5同等のモデル車(以下CX-7(改))を仮定し,比較対象とすることとした。これは,諸元,仕様が同等の比較対象車種を設定する方法である。以下に,比較する従来型相当車CX-7(改)の諸元,仕様の設定方法,およびライフサイクルの各段階の分析手法を述べる。なお,新しい手法については,第3者(LCAの学識経験者)のレビューを受け,妥当と認められた。(1)比較する従来型相当車CX-7(改)の諸元,仕様の自動車の使用期間および生涯走行距離で必要な交換部品を設定し,それらを製造することによる環境負荷を算出した。具体的には,タイヤやエンジンオイルなどを交換部品として設定した。4)廃棄段階廃棄段階は,シュレッダ処理,シュレッダダストサーマルリサイクル,埋め立て処分での投入量より環境負荷を算出した。例えば,埋め立て処理では,管理型最終処分場での油圧ショベル軽油消費量より算出した。設定2.3環境負荷項目乗用車には,SUVの他,セダン,ミニバン,スポーツカーなどのカテゴリがあるが,同一カテゴリとした上で同等の車両諸元,仕様を設定した。[CX-7(改)の諸元,仕様]・自動車の使用目的がCX-5と同一のクロスオーバSUVである。・乗車定員,荷物の積載量がCX-5と同等である。・車両寸法(全長,全幅,全高),エンジン排気量が自動車の重要環境側面を地球温暖化と大気汚染と捉えた。地球温暖化の主要排出項目は,CO2であることが判明している(3)。酸性化の主要排出項目は,NOx(窒素酸化物), SOx(硫黄酸化物),光化学オゾン生成の主要排出項目は,NMHC(非メタン炭化水素)であることが判明している(4)。加えて,規制対象項目のPM(粒子状物質)とした。2.4機能単位とシステム境界CX-5と同等である。従来,生涯を10年間で10万km走行するとしてきた・車両質量は,車両投影面積から設定する。同一カテゴリ車(SUV)であれば,車両質量が車両投影面積に比例することがわかっており,自社SUV,他社SUVのデータから設定した。(2)ライフサイクル各段階の分析手法1)製造段階(材料製造,車両製造)が,新世代技術を評価するにあたっては最新の統計(7)(8)により,5人乗りのSUVが,その全生涯13年間で11万kmを走行する際に提供する機能を本調査の機能単位とした。走行モードは新しいJC08モードとした。自動車のライフサイクルを資源採掘から廃棄までと日本自動車工業会のマテリアルプロセス手法(5)を採用した。製造段階での環境負荷は,各部品の構し,材料製造,車両製造,使用,メンテナンス,廃棄の5段階で設定した。成材料ごと,質量に比例する。CX-7(改)は,エンジン,トランスミッションについては同等の既存ユニットを用い,その他のユニットについては,CX-7の材料構成を用い,スケールダウンした。2)使用段階2.5市場実態を反映した評価方法マツダ車をご購入いただいたすべてのお客さまに「走る歓び」と「優れた環境・安全性能」を提供するという考えのもと,1台当たりの環境負荷に,式(1)に示すように,各グレードの普及の実態を反映した。モード燃費値より求められる生涯使用燃料の量から,燃料精製時,燃料燃焼時の環境負荷を算出する。燃費への影響要因には,ころがり抵抗,加速mm? ?LEaverage? ? LEi? ?Vi?Vi?i?1? i?1?(1)抵抗,空気抵抗などがあるが,日本のモード燃費は比較的低速で加減速が多いため,加速抵抗が大ここで,LEaverage :車種1台当たりのライフサイクル環境負荷,きいと考えられる。加速抵抗が支配的であれば,LEi :グレードのiライフサイクル環境負荷,モード燃費と車両質量が反比例の関係があり、実Vi :グレードiの販売台数,データ(6)で示されている。本稿では,燃費への影響要因をなるべく合わせるため,従来SUV車の車両質量と燃費から求めた。i :全グレード数mのうち,i番目であることを示す―206―