ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30
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マツダ技報 2012 No.30
マツダ技報No.30(2012)を実行する処理ノード,状態を遷移させるのみのフラグノードがある。基本アルゴリズムを実行することにより,接続先ノードの変更,ノード内容の変更が行われ,準最適解が探索される。JudgmentProcessingPopulation個体群判node定ノード処node理ノードフラグノードFlag nodeIndividual個体Fig.5 GNP Configuration4.創発型制御システムによる低燃費制御4.1検討モデルと条件創発型制御システムが,どんな運転者に対しても優れた環境安全性能を発揮することを確認したい。今回は,昨今特に脚光を浴びている環境性能に着目し,効果の確認を行った。具体的には,Fig.6に示すシリーズ型のハイブリッド車両のバッテリ走行とエンジン走行を切り替えることにより,バッテリ劣化量と燃料消費の合計コストを低減できるか検討した。また,走行場を学習し判断することで制御アルゴリズムを切り替えることが,合計コスト低減効果として反映されるか検討した。更に,個人の走行特性を学習させた場合の効果も検討した。ここで,バッテリ劣化量と燃料消費の合計コストとして,(1)式を用いた。Ccost ?ただし,C battery[\/kWh]はバッテリコスト,EBmazy[Wh]はバッテリ容量,X[day]はバッテリ寿命予測日,tdrive[day]は走行時間,d[km]は走行距離,Cfuel[\/l]は燃料コスト,Fl[km/l]は燃費である。(1)車両モデル車両モーションを再現できるドライビングシミュレータに車両モデルを構築し,シミュレータで走行データを取得し,創発型制御システムの検証を行う。車両重量1.5t,バッテリ容量4kWh ,エンジンMaxパワー80kWとし,エンジンモデルとバッテリモデルは以下のように設定した。W GGenerator発電機W AAccessoryアクセサリW MW BBatteryバッテリbatteryEBmax?1000XtdriveW EEngineエンジンT MMotorモータブレーキBrakeC? d ?Ffuel(1)GeariTireタイヤBody車両ηtr rDDVT BElectric powerMechanical powerFig.6 Series Hybrid Vehicle Systeml(a)エンジンモデル発電量WG[W]は式(2)により求める。W ??WGGEただし,WE[W]はエンジン出力,ηGは発電機の発電効率である。WEは,トルクTE[Nm]と回転数ω[rpm]によって(3)式で表される。WE? TE??エンジン出力変更時は,あらかじめ求められた最適なエンジントルクと回転数に収束するよう,PID制御を行う。燃料消費率FE[g/kWh]は,トルク・回転数からの燃料消費換算テーブルより求める。1秒当たりの燃料消費量FC[g/s]は(4)式より求める。FCと時間との積算により燃料消費量が得られ,これを積分したものが総燃料消費量となる。F ? W ? F / 1000 / 3600CEE(b)バッテリモデルバッテリ残容量EB[Wh]は式(5)より求める。E?WBB? W? WBG??W???WMBVB?W???A2Rただし,WB[W]はバッテリ入出力量,VB[V]はバッテリ内部電圧,RB[m?]はバッテリ内部抵抗である。また,等価燃料消費量FB[g]は式(7)より求める。等価燃料消費量とは,走行終了後にエンジンを稼働させて,バッテリ残量SOCを初期の状態に戻すために必要とする燃料消費量である。FB ? ?ΔSOC? EBmax? FE/ ?G/ 1000ただし,ΔSOC[%]は走行終了時と開始時のバッテリ残量SOCとの差である。バッテリの劣化量YはB(2)(3)(4)(5)(6)(7)t時間に比例し,その傾きとなる劣化係数kは放置時とサイクル時によって異なる。劣化係数は温度T[K],平均電流I rms[A]によって決まる。本研究では,充放電電流と温度とから劣化量を算出する実験式を用いた。(2)シミュレータ走行条件100km/hの平坦走行,上り走行,下り走行,および40km/h以下の前方車両追従の渋滞走行の4種類のモードの走行データを取得した。各モードの走行時間は5分とし,3名の被験者データを取得し,2名分を学習に1名を検証に用いた。制御条件として以下の4条件の評価を実施した。―212―