ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30
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マツダ技報 2012 No.30
No.30(2012)マツダ技報①未学習バッテリ残量SOCが70%以上でエンジンを停止しバッテリ電力で走行。40%以下でエンジンを稼働させバッテリ充電を行う。②固定学習1つのGNP(平坦走行)により創発された制御アルゴリズムにより制御。③走行場適合学習推定された走行場ごとにGNPを切り替える制御。④走行場・個人適合学習検証に用いる1名の走行データにより,走行場推定閾値と走行場ごとのGNPを個人適合させた制御。運転者個人の潜在的要求(速度制御にエンジンブレーキを使用したいかなど)を取り込んだ制御である。4.2結果(1)走行場の推定結果恒等写像モデルにおける中間層出力の一例をFig.7に示す。非線形情報圧縮された中間層1と2で平坦,渋滞と上り/下り走行場,中間層2と3で上りと下り走行場を分離できることがわかった。(2)創発型制御による合計コスト低減効果4つの制御に対する合計コストをFig.8に示す。未学習,固定学習,走行場適合学習,走行場・個人適合学習という順序で高度な創発制御になるほど合計コスト低減効果が大きくなることがわかった。より,燃料消費量とバッテリ劣化量の合計コストを低減できること,運転者個人の潜在的要求を取り込むと効果が最大になることが示された。このように,走行場を推定しながら制御を変更していくことが,新たな価値を創成する可能性があることを示唆している。今後の課題として,走行場推定に運転者状態を入力として取り入れた場合の研究事例蓄積を行いたい。更に,運転者の行動を蓄積し利用することにより,時間軸変動に対応して運転者に適応するシステムが,運転者の好みの特性に近づき,自動車と運転者がともに成長していくような特性を有することで,自動車に対する深い愛着を創発するといった,精神価値増大の可能性を検討していきたい。参考文献(1)手塚ほか:進化的予防安全システムの開発,スバル技報,No.35,p.151-157(2008)(2)松岡由幸:タイムアクシス・デザインの時代-世界一やさしい国のモノ・コトづくり-,丸善出版(2012)(3)柳沼義典ほか:砂時計型ニューラルネットワークを用いたセンサ情報融合による内部表現の自動獲得,ファジィシステムシンポジウム講演論文集,11,p.715-718,(1995)(4)松岡由幸:タイムアクシス・デザインの概念,横幹,Vol.6,No.1,p.9-16(2012)1.00.90.80.7Traffic jamFlatDescendingAscending0.90.80.7DescendingAscending■著者■Interlayer 20.60.50.4Interlayer 30.60.30.50.20.40.10.00.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0Interlayer 10.30.3 0.4 0.5 0.6Interlayer 2(a) Interlayer 1-2 (b) Interlayer 2-3Fig.7 Estimation of Driving Situation古郡了山﨑卓黒田康秀120100Fuel CostBattery Duration CostRatio of Cost806040200BeforeLearningFixedLearningDriving field Dr iv ing field &Adaptation Leaning IndividualAdaptation Leaning農沢隆秀末冨隆雅氏家良樹Fig.8 Improvement of Total Cost by Control Types5.まとめ未知の走行場に遭遇しても学習し判断する創発型制御システムの考え方と基本構成を示した。創発型制御システムを用いて,ハイブリッド車両のシステム制御を行うことに中澤和夫松岡由幸―213―