ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

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概要

マツダ技報 2012 No.30

マツダ技報No.30(2012)ウレタン結合の加水分解によりカルボキシル基が生成し,カルボキシル基由来のピークが確認されたと考える。H H HR2 O C C C O R2 R N C OH1R N C OHOHydrolysis HAmid1H HOCarboxylFig.9 Inference of Chemical Reaction他の原因として,自動車技術会疲労信頼性部門委員会接合構造疲労評価W/G接着サブW/Gにおける構造用接着剤の吸水劣化現象の調査では,1,648 cm -1のピーク強度の減少と1,730 cm -1のピーク強度の増加は,①尿素結合,②アミド結合の加水分解のいずれかに起因すると推定されている。加水分解反応の序列から尿素結合が加水分解を受けた可能性が高いと結論づけられている(4)。どちらの場合も,接着強度の低下は,樹脂の架橋構造が加水分解によって切断され,接着剤バルクの強度が低下したことに起因すると考えられる。3.劣化指標Degree of hydrolysis, D h2.01.51.0+ R0.50.00 5 10 15 20 252 O C C C O R2 H H HH OHH 50℃, 95 %RH60℃, 95 %RH70℃, 95 %RH80℃, 95 %RHTime (d)Fig.11 Change of Degree of Hydrolysis of Adhesive B構造用接着剤A,Bの加水分解度合いと接着強度の関係をFig.12,13にそれぞれ示す。一般的に,引張せん断の場合は,被着体である鋼板と接着剤の界面端部に応力が集中し,そこが起点となり破断に至る。そこで,加水分解度合いは破壊の起点となる接着剤界面端部で評価した値を使用した。加水分解度合いと接着強度は対数で回帰にすると高い相関がある。このことから,加水分解度合いは接着強度の劣化指標として用いることができると考える。本研究では,ピーク強度の変化を定量化するため,(1)式のようにカルボキシル基由来のピーク強度(Ic)とアミド基由来のピーク強度(Ia)の比をとり,フレッシュ試験片のピーク強度比の値(構造用接着剤AでIc0/Ia0=0.58,BでIc0/Ia0=0.54)を減じた値を加水分解度合い(Dh)と定義する。通常FT-IRのピーク強度では測定サンプル間の直接比較は困難であるが,このようにピーク強度比で定義することで,測定サンプル間の比較が可能となる。? IcD ? ?h ? I? ? I??? ??? ? Ic0? a a0???(1)?構造用接着剤A,Bにおいて,50℃から80℃,95%RHの高温高湿環境下で吸水処理を行ったときの加水分解度合いの時間変化をそれぞれFig.10,11に示す。どの温度でも時間の経過とともに加水分解は進んでいるが,温度が高いほうが顕著に進んでいることがわかる。Degree of hydrolysis, D h2.050℃, 95 %RH60℃, 95 %RH1.570℃, 95 %RH80℃, 95 %RH1.00.50.00 5 10 15 20 25Time (d)Fig.10 Change of Degree of Hydrolysis of Adhesive ALap shear strength (MPa)T-peel strength (N/25mm)252015105(a)y = -1.71 Ln(x + 0.58) + 20.41R 2 = 0.64500.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.535030025020015010050(b)Degree of hydrolysis, D hy = -44.52Ln(x + 0.58) + 283.21R 2 = 0.89100.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5Degree of hydrolysis, D hFig.12 Relationship between Degree of Hydrolysis and(a) Lap Shear Strength, (b) T-Peel Strength ofAdhesive A―222―