ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30
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マツダ技報 2012 No.30
マツダ技報No.30(2012)リサイクルの取り組みについて紹介する。2.マツダにおける資源循環と廃棄物削減の取り組み最初にマツダにおける自動車のライフサイクル全過程における資源循環(1)の取り組みを述べる。2.1開発・設計新車のリサイクル性を向上させるため,以下の取組みを進めている。(1)解体・分解容易な車両の設計,解体技術の研究1990年代よりリサイクル可能な部品や素材を回収しやすくすることに取り組んできた。例えば,バンパでは解体時に短時間に一体で取り外せる構造を追求してきた。2008年発売のアクセラからは,バンパ下部の締結部分に,強く引くと外れやすくなる薄肉構造を採用し,バンパ開口部には引っ張り時にバンパが破断せずに一体で外せるよう補強した。インストルメントパネルでは,締結部を離脱させやすい構造とすることで,解体時に引っ張ると容易に外れるよう工夫している。ハーネスのアース端子は,引き抜く際に端子部がちぎれ,ハーネスが残りにくい構造にしている。(2)リサイクルしやすい樹脂材料の採用ASR(Automobile Shredder Residue:自動車シュレッダダスト)の構成重量の多くを占める樹脂についてリサイクルしやすい材料を採用している。例えば,ATシフトノブにはオレフィン系熱可塑性エラストマ(TPO)を採用し,ダッシュインシュレータは,遮音材を同素材の熱可塑性フェルトに統一している。2.2生産2008年度に本社(広島),三次事業所,防府工場西浦地区,防府工場中関地区(開発など間接領域も含む)の国内主要4拠点で全埋め立て廃棄物量の完全ゼロを達成し,以降もこれを継続している。これは,副生物・廃棄物の発生量削減と分別・リサイクル強化を進めることによって達成した。2.3物流容器のリターナブル化や包装仕様の簡素化,資材の再利用などのマツダの物流領域で3R活動(リユース,リデュース,リターナブル)を推進している。2011年度は,1990年度比40%以上削減の目標に対して,梱包・包装資材使用量を43.4%削減した。2.4使用済自動車の回収とリサイクル(1)日本での使用済自動車のリサイクル日本の自動車リサイクル法に基づき指定3品目(フロン類,エアバッグ類,ASR)を適切に処理するだけでなく,独自の技術や取り組みにより,積極的にリサイクルを行っている。特にASRについては,日産自動車(株),三菱自動車(株)など13社で設立した「ART (Automobile shredderresidue Recycling promotion Team)」を通じて法令順守とリサイクル率向上を推進している。また,販売会社ではリサイクル料金の受け取り,使用済自動車の最終所有者からの引き取りと処理業者への引渡しについても適切に進めている。(2)海外(欧州・台湾・中国)での使用済自動車のリサイクル海外でも各国・各地域の法律に基づいて自動車のリサイクルを推進している。欧州では,EU指令に基づき,リサイクル業者への解体マニュアルの提供および最終所有者から無償で廃車を回収するネットワークを構築している。台湾では,2008年からスタートした自動車リサイクルの自主取り組みに対応するため,販売店を通じて,リサイクル業者向けに解体マニュアルの提供などの活動を推進している。中国では,自動車リサイクル法の施行対応に向け,詳細情報を調査している。(3)使用済部品のリサイクルマツダグループでは,認定解体業者と提携し,リユース部品の販売を行っている。また,販売会社で修理の際に交換したエンジンやトランスミッションを回収し,補修整備して,リビルド部品として販売している。2011年リビルド部品販売実績は,エンジン1,217台,トランスミッション1,333台であった。また,使用済バンパのリサイクルを行っており,次章に詳細を述べる。(4)非鉄金属・貴金属のリサイクルの取り組み2009年から広島県の関連業者と共同で,自動車に使用されているハーネスや基板など希少価値の高い非鉄金属・貴金属を国内で資源循環する活動に取り組んでいる。更に,2011年度からは,モータ類からのレアアースのリサイクルや,使用済自動車の資源を国内で備蓄・循環する仕組みづくりに関連業者と共同で取り組んでいる。3.廃車バンパリサイクルの取り組み3.1バンパリサイクルの取り組み経緯従来からマツダは国内販売会社の交換バンパ(以下市場損傷バンパ)の新車バンパへの材料の水平リサイクル(元と同等の部品/商品に使用)に積極的に取り組んでいる。修理・交換によって発生した市場損傷バンパは2011年度に79,575本(回収率79%相当)を回収し,新車の樹脂材料としてリサイクルした。マツダのバンパリサイクル活動をTable 1に示す。―230―