ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

No.30(2012)マツダ技報Year19922001200220032005Table 1 Mazda Technology Development andImplementation on Bumper RecyclingContentsRecycling damaged bumper to undercoverwas commenced.Recycling damaged bumper to bumperreinforcement was commenced.Recycling damaged bumper to grained bumpersurface was commenced.A technology to recycle damaged bumper tosmooth bumper surface was developedContinued recycling damaged bumper tosmooth bumper surface was commenced1992年販売会社を通じて市場損傷バンパを回収し,アンダーカバーなどへの再生利用を開始した(2)。2001年,機械式の塗膜除去技術を活用し,市場損傷バンパリサイクル材を新材と同等レベルの強度に高め,バンパ補強用部品への再利用を開始した。2002年,塗膜除去条件を最適化し,塗膜除去率を98.5%まで向上させ,同年7月からボンゴフレンディのシボ面バンパへの再生利用を開始した(3)。2003年,(株)サタケと共同で光学選別技術を組み合わせた新しい塗膜除去技術を開発し,リサイクル材の塗膜除去率を99.85%へと高め強度・品質とも高い要件が求められる通常の塗装バンパへの再生利用が可能な技術を確立した(4),(5)。2005年,それまでの技術確立を基に,市場損傷バンパを新車のバンパ材料として継続的に再利用することを開始した。これらの活動や技術開発がベースとなって,廃車バンパリサイクルにつながった。3.2廃車バンパから新車バンパへのリサイクルの課題廃車バンパは製造から10年以上経過したものも多く,素材となるポリプロピレン材の物性や塗膜との密着性が現在の新車バンパの材料と異なり,材料品質の確保に課題があった。また,廃車からのバンパの解体・回収に加え,フォグランプや締結用金属部品など異材質部品の分解除去にも工数がかかり,採算性の確保にも課題があり,新材に置換して利用することが難しい状況であった。マツダは上述の課題に取組み,世界で初めて廃車バンパの新車バンパへの再生利用を可能とした。具体的にはTable 1に示す技術開発や取組みの実績をベースにして,バンパ材料の品質管理手法としくみを構築し,経済性を考慮した効率的な廃車バンパの回収を実現したことである。これらをバンパが解体して分別しやすい設計構造を織り込こんだ廃車が増加して来たタイミングを捉えて実施した。Fig. 1に廃車バンパリサイクルのプロセスを示す。バンパ材料の品質確保および廃車バンパ回収の経済性の実現について以下に述べる。3.3バンパ材料の品質確保の取組み(1)リサイクル材混入基準の設定Table 2に示すように,バンパ材料はアンダーカバー材料等とは異なり耐衝撃性や外観品質の要求が高い。そのためバンパは性能を確保するために,アンダーカバーよりも一層留意してリサイクル材に新材を混合することが必要である。製造時期が比較的新しい市場損傷バンパの場合は,リサイクル材の混入率を30%としていた。廃車バンパは,市場損傷バンパよりも古い材料が多くなるので,これまでと同等の品質を確保するためには許容混入率を見直す必要があった。混入率を変えて実験をした結果,外観品質,成形時の収縮率,剛性などの要件を満足できるよう,廃車バンパのリサイクル材の混入率を10%とした。①Collection &transportation②Granulate③Paint removal④Remaining paintremovalCollected ELVbumper⑤ExtrusionGranulatedmaterialMechanical paintremoval machine⑥MoldingOptical sensing sortmachineReclaimedmaterialSupplyVirginmaterialMoldingdieExtruderInjectionmachinemoldingSmooth surfacebumperFig. 1 Recycle Process of Bumper―231―