ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

マツダ技報No.30(2012)Table 2 Application for the Reclaimed Material fromBumpers and Requirements (3)○:Full requirement,△:Partial requirement,×:No requirementRequirementsPaint qualityStrength DimensioApplications for Rigidity nalPaint film Surfacestabilitythe reclaimedperformance appearanceUndercover. etc△△××Bumperreinforcement○○××Grain surfacebBumper(without grain)○○○○○○○○(2)塗膜除去目標および塗膜剥離市場損傷バンパリサイクルで開発された塗膜剥離技術(Fig.1③)が,廃車バンパリサイクルで活用できるか確認した。塗装されたバンパの粉砕材には塗料が存在し,鏡面バンパに適用するには外観品質の問題が生じるので,塗膜除去レベルをより厳しくする必要がある。鏡面バンパへのリサイクル材利用のため,塗膜除去率の目標は,市場損傷バンパの場合と同等の99.85%に設定した(Table 3)。Table 3 Setup a Target of the Paint Removal Rate (3)○:Paint surface appearance meets the requirement.●:Paint surface appearance does not meet the requirement.Mixing rate intoRemaining paint rate (%)virgin material (%)PresentTarget1310200.045%○○●●30●0.045%1001.500%●Paint removal98.50%rate0.150%99.85%Fig.1③に示す機械式塗膜剥離装置だけでは,この目標を達成できないので,Fig.1④光学式選別技術を用いた。(3)塗膜残存粉砕材の選別市場損傷バンパリサイクルで開発した光学式選別技術が活用できるか確認した。Fig.1③に示す機械式塗膜剥離装置で塗膜剥離を実施した時の塗膜残存の構成率をFig.2に示す。これを見ると,塗膜残存の無い粉砕材の構成率は86%,10mm2未満の面積の塗膜が付着した粉砕材の構成率は10%であった。また10mm2以上塗膜が残存している粉砕材の構成率は4%であった。この結果から10mm2以上塗膜が残存した粉砕材を除去できれば,目標とした塗膜除去率99.85%を達成できることが分かった。そこで,粉砕し塗膜除去した粉砕材を,Fig.1④に示す(株)サタケと共同開発した光学選別装置によって,塗膜が残存した粉砕材を除去した。この選別機は,バンパ粉砕後に塗膜剥離処理した粉砕材を,選別機のホッパに投入し,シュータを通過後,所定の位置で光とCCDセンサにより,粉砕材を認識する。粉砕材に塗膜が付いていると,その色は塗膜残存無しの粉砕材(黒色)よりも強い反射強度を放出するため,これを検知し,その直後No paint86<10mm2 1010~30mm2 3>30mm2 10 20 40 60 80 100Ratio of pellets (%)Fig.2 Remaining Paint Area on PelletsProcessed for 65 Minutes in PresentPaint Removal Process and Ratio ofthe Sizeにエアエジェクタにより,選別・除去するというものである。(3)この技術により選別された廃車バンパの粉砕材を,目標の10%混入しても新車バンパとしての性能および外観品質目標を確保できることを確認した。なお,除去された塗膜付の粉砕材は,アンダーカバー等の性能要件が厳しくない部品にリサイクルし有効に活用している。(4)リサイクル材の造粒回収されるリサイクル材の場合,バンパとして古いもの,材料グレードの異なるもの等,多種多様なものが入ってくるため,これらを均一化させる必要がある。そのため,本リサイクル工程でも,事前にタンブラという機械の中に粉砕品を入れて,攪拌し,均一化している。その後,大きさを均一にするため,押出機を用いて材料を溶融混練させ,ペレットと呼ばれる米粒状の成形素材に加工している。(5)バンパ材料の品質管理前述のように,廃車バンパは製造時期が古いことに加え,製造時期により使用されている材料の物性も異なるので物性のバラツキが懸念される。そこでリサイクル材の流動性や強度・剛性などの主要物性を回収ロットごとに測定するとともに,万が一極端に物性が低い材料が入ったときは物性に応じて生産工場側で混入率を調整し品質保証するしくみとした。Fig.3は,リサイクル材の曲げ弾性率とリサイクル材の新材への上限混入率を示している。Fig.4は,リサイクル材の溶融流動率とリサイクル材の新材への上限混入率を示している。上限混入率が10%までとなっているのは,成形時の収縮率など他の要件によるものである。回収ロットごとに,曲げ弾性係数と溶融流動率を測定し,Fig.3およびFig.4により,リサイクル材の混入率を管理することによって品質保証が可能となった。―232―