ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

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概要

マツダ技報 2012 No.30

マツダ技報No.30(2012)Spray Pattern(Momentary )Spray pattern(With valve ON/OFF)Nozzle movementPaint supply systemNozzle←FilmbuildFilmbuid deviation←Excessive←TargetExcessive width at valve ONApplication resultExcessiveDesign targetpaintFig.5 Paint System for Slit Nozzleまた,厚みを一定にするためには,ノズルの移動速度が一定であることが必要であるが,実際のロボットは慣性力があるために,Fig.6のようにロボットアームの移動速度は加減速し,速度が遅い間の塗布での厚みは過剰になる。この加減速は,ボデー曲面に沿わせて複雑な動きをさせる場合は増大する。Linear motionCurvilinear motionSpeedSpeedInstructed speedActual speedFig.7 Sketch of High-Response Paint System4.新しい塗布工法の開発4.1課題解決する塗布工法の実現(1)塗布ノズル塗装距離依存性から脱却し,パターン形成の応答性を向上させるため,微細な円の隙間から塗料を棒状に出し,複数を並べることで塗布幅を作るノズルを採用した。高い吐出応答で平滑な塗膜を得るため,1本の棒状流れから形成される塗着幅に対して,平均吐出流速・ガン速度・ノズル径を因子として,検証実験を行った。例えばFig.8に示すようにノズル口径が小さいほど平滑性は向上する。しかしながらあまり小さな径のノズルは量産工程での維持・管理の面で不利である。Min. thickness Max thickness1.800TimeFig.6 Actual Gun Speed In Different Motions of Robot3.2新しい塗布工法上述の問題を解決する塗布工法の要件は以下である。①圧力で吐出パターンを広げる⇒直進吐出させ,ガン距離依存性をなくした吐出パターン②塗料を止める/動かす塗料供給制御⇒塗料を止めない塗料供給制御③ロボットアーム速度が変動⇒ボデーに沿わせずロボットアームを直線運動で定型化上記の要件を満たすシステムとして,塗布システム開発を行った(Fig.7)。Width of film (mm)1.6001.4001.2001.0000.8000.6000.4000.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9Diameter of nozzle hole (mm)Fig.8 Verification of Nozzle Hole平均吐出流速は,Fig.9の様に,大きいほど塗着幅の広がりが鈍化してくることから,小さいほうが薄膜化や平滑性の向上に有利である。しかしながら,吐出流速は吐出応答に関わっており,一方で一定量をボデーに塗着させるためにはガン速度と連動させる必要がある。ガン速度は生産タクトに関わる因子であり,極端に遅くすると工程としての生産効率が落ちる。このように車両性能に必要な塗布重量と塗布工程の生産性から,最適な吐出流速を決定した。―236―