ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

マツダ技報No.30(2012)30mm30mmFig.13 Applying Trial by Developed Method(3)ロボット制御ロボットでの塗布では,移動しながら作業することからロボットアームの移動速度が一定であることが求められる。一定量をボデーに塗布するという目的から考えると,塗料吐出量とガン速度を追従して制御するという考え方もできるが,本件にて開発している塗料の流れを変化させないコンセプトとは矛盾しており,やはりその応答性が問題となる。本工法ではいかに移動速度を一定にするかを追求し,ロボットの動作特性を検証した。その結果,ガンの角度を変化させず,等速直線運動を教示することが最も意図どおりに一定速度で動くということがわかった(Fig.7)。以上より,微小な塗分けに対しても一定量の塗料をノズルから吐出させ,等速で移動することによって,精度良く一定量をボデーに塗布する工法が構築できた。4.2塗布仕様の最適化上記の塗布工法の精度を基に,車両開発における塗布仕様の最適化を実施した。Fig.14に示すようにパネル振動が音に変換されるメカニズムを明らかにし,それに基づいたパネル振動シミュレーションを実用化した。このシミュレーションでは,工法の塗布精度を前提に,30mm角の塗布位置数万点×塗布厚み3段階の膨大な組み合わせの中から,最適解を探索するアルゴリズムを構築し,Fig.15に示すような最少量の塗布仕様を決定した。Fig.15 Applying Area Based on Vibration Analysis4.3成果以上のような工法開発により,当初の開発目標値を達成し,制振性能と軽量化・コストを両立する制振材塗布工程を実現した。この塗布工程を2011年11月にマツダ宇品第2工場に導入し,SKYACTIVボデー第1段となるCX-5へ適用した。Fig.16にCX-5での塗布状態を示す。Fig.16 Result of Application For Floor Panel of CX-5CX-5では,従来の制振シートによる重量に比べ,台あたり30%の軽量化を実現し,同時に12%のコスト改善を達成した。また同工場で生産中のプレマシーにも続けて適用完了し,同工場においては制振シートの貼り付け工程廃止を達成した。また2012年11月発売の新型アテンザにも適用されており,今後,他車種への展開を予定している。Contributionanalysis (test)Acoustic cavitysimulationVibrationsimulation (CAE)Application layoutFig.14 Optimization of LASD Application Layout―238―