ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

No.30(2012)マツダ技報operation SKYACTIV-DRIVE operation 5-Speed ATRotationsensorTransmissioncontrol moduleTransmissionrange sensorPressure switchDirect linear solenoidTransmission fluid temperature sensorFig.12 Makeup of Mechatronics Module6.2高速変速制御によるシフトクオリティの向上SKYACTIV-DRIVEでは前述のMechatronics moduleによって得られた高応答,高精度の制御システムを最大限生かし,スムーズかつ高応答の変速を実現した。アップシフトでは,変速中も車両の加速度が不連続にならないようにクラッチ油圧とエンジントルクを制御するシステムを構築した(Fig.13)。Vehicle accelerationEngine speedTargetEng. speed accelerationFig.14 Comparison of Downshift Responsiveness7.おわりにSKYACTIV-DRIVEの開発では,理想を追求し続けることによりブレイクスルーを成し遂げ,その結果として,走る歓びと優れた環境性能を両立することができた。ロックアップ領域の拡大によりダイレクト感を向上、更に変速応答性もデュアルクラッチタイプ同等以上を実現。加えてプラネタリギヤ式構造であるためトルク制約もなく,大トルクディーゼルエンジンとの組み合わせでもその良さを存分に発揮できる。これらが従来AT比率の低かった欧州市場でも受け入れられ,AT比率が非常に高くなっている。また全部品を一新するに当たり,モノ造り革新として,機能配分・設計・生産・調達の最適化をお取引き先様と共同で行い、低コストを実現した。最後に,本開発に多大なご協力をいただいたお取引き先様はじめ,関係各位に深く感謝の意を表する。参考文献(1)石野勅雄ほか:新世代技術「SKYACTIVパワートレイン」,マツダ技報No.29, pp.29-35(2011)(2)黒川和司ほか:ドライブトレイン技術開発の現状と展望,自動車技術vol.65 2011.09.01,P.11-P.16(3)土井淳一ほか:New Mazda SKYACTIV-DriveAutomatic Transmission, ATZ auto technologySeptember 2011, P.52-P.55■著者■TimeFig.13 Upshift of SKYACTIV-DRIVEダウンシフトでは,応答性を実現するとともに,エンジントルクを変速に同期して上昇させることで,スムーズで早い変速を実現した(Fig.14)。また外乱に対しても安定したシフトクオリティが得られるように現代制御論によるフィードバック制御を全変速で採用するとともに,制御コンピュータ内に油圧モデルを構築し,リアルタイムでクラッチやバルブの作動状態を推定している。土井淳一鎌田真也丸末敏久岩下典生三谷明弘宮濱芳文―23―