ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30
- ページ
- 34/264
このページは マツダ技報 2012 No.30 の電子ブックに掲載されている34ページの概要です。
10秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは マツダ技報 2012 No.30 の電子ブックに掲載されている34ページの概要です。
10秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
マツダ技報 2012 No.30
No.30(2012)マツダ技報Table 1 Main Specs of C66M-RGear Ratio1st3.7002nd1.9473rd1.3004th1.0295th0.8376th0.680Rev3.724Final4.388Weight;Wet [kg]42.93.2 D66M-R型(以下,大型MT)大型MTは,2速と3速の駆動ギヤを共用する並行3軸構造で,最大入力トルク460Nmに対応する。1速~4速,リバースにはトリプルコーンシンクロ,5速,6速にはカーボン摩擦材を使用したシングルコーンシンクロを採用した。Fig.2に主断面図,Table 2に主要諸元を示す。4. SKYACTIV-MTのもの造り革新4.1高トルク容量と小型・軽量・高効率の両立中型MTでは, SKYACTIV-Gのトルクに対応しつつ,搭載長短縮を両立したコンパクトな2点支持2軸構造を採用し,小型・軽量化と回転抵抗低減を実現した。また,入力負荷に合わせてデファレンシャルサイズを使い分けることにより,幅広い車種・エンジンに適用可能とした。大型MTでは,SKYACTIV-Dの高トルクに対応したギヤトレイン強度と目標全長の両立のため,2点支持3軸構造を採用した。2本あるカウンタ軸を,入力負荷が高い1速,2速用と比較的負荷が低い3速~6速用で分けることにより,3速~6速用カウンタ軸の支持ベアリングに低抵抗タイプを採用し,小型化と同時に回転抵抗低減を実現した。4.2コモンアーキテクチャ構想ドライバが感じるシフトフィールの理想特性を数値目標化し,実現のための最適化設計を行った。中型MTと大型MTで操作系と同期装置の基本構造を共通化することによりストローク特性を統一し,シンクロの同期容量を変動要素として荷重特性を最適化する思想で設計することにより,ギヤトレイン構造やサイズによらない同体質の操作フィーリングを実現した。4.3一括企画とフレキシブル生産構想一括企画・開発とフレキシブル生産構想を効率的に実現するため,開発初期段階から生産部門とのコンカレント活動を行った。これにより,機能開発と生産ライン設計の要件を相互にフィードバックし,開発効率と生産性の改善,および生産準備期間の短縮を実現した。従来,機種ごとの専用設備で生産していたトランスミッションケースの事例では,加工基準や固定基準座を統一化することで,サイズや形状の異なるSKYACTIV-MTとSKYACTIV-DRIVEの4種類以上のケースを同一設備で生産可能な多種変量対応の高稼働率生産ラインとした。5.シフトフィールの進化Fig.2 Main Section of D66M-RTable 2 Main Specs of D66M-RGear Ratio1st3.3572nd1.8263rd1.5654th1.1475th0.8936th0.745Rev4.091Final(1,2)4.105Final(3-6,R)3.120Weight;Wet [kg]56.9SKYACTIV-MTでは,従来から目標としてきた,マツダシフトフィールDNAである「ドライバの意のままに操作でき,小気味よいシフトフィール」を更に進化させるために,乗車姿勢や操作時の腕の動き,筋肉の使い方などを人間工学的に分析し,従来型MTのシフトストローク50mm・約50Nの操作力に対し,ストローク45mm・約40Nの操作力を理想目標とした。また,変速開始から終了までのシフト操作力目標を,フィーリングから数値化し,同期終了後にシフト完了位置に向けて吸い込まれるように動き,ストッパ部では適度な剛性感が得られる設定とした。Fig.3にシフト操作特性の目標と実測値を示す。―25―