ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

特集:SKYACTIV TECHNOLOGY7マツダ技報No.30(2012)SKYACTIV-シャシーのダイナミクス性能Dynamics Performance of SKYACTIV-CHASSIS村田親*1*2岩野光男*3田中稔Shin MurataMitsuo IwanoMinoru Tanaka中村聡*4*5戸田良二林義博*6Akira Nakamura Ryouji Toda Yoshihiro Hayashi要約SKYACTIV-シャシーは,走る歓びの更なる進化と環境性能に貢献する大幅な軽量化を実現した上で,「人馬一体のドライビングプレジャー」と,快適性や安心感改善による「走りの質」の向上を実現した。このブレークスルー技術の基本構造を共通としながら,サスペンションジオメトリやステアリングギヤレシオ,その他多くの細かな造りこみを行うことで,クロスオーバSUVのCX-5と,フラッグシップセダンの新型アテンザのキャラクタへ進化させた。また,車両応答と操舵力の関係をリニアに見直し,他のダイナミクスフィールと調和させ,クルマ全体で一体感を実現した。これらのダイナミクス性能の進化を実現しながら,骨格の最適化などにより大幅な軽量化を達成した。SummaryWith further evolved fun-to-drive and significant weight reduction to support environmentalfriendliness, Mazda SKYACTIV-chassis has also achieved“enhanced driving pleasure with onenessbetween a driver and a car”, and improved“driving quality”with enhanced comfort and a sense ofconfidence. With this technological breakthrough and base structure used as in common, suspensiongeometry, steering gear ratio and many other detailed specifications were developed to characters ofCX-5 as crossover SUV and New ATENZA as a flagship sedan. Furthermore, oneness between adriver and a car was achieved by linearly-related vehicle response and steering wheel torque. Withthese evolved dynamic performance, significant weight reduction was also achieved by optimizationof base structure.1.はじめにSKYACTIV-シャシーは走る歓びの更なる進化と環境性能に貢献する大幅な軽量化を実現し「人馬一体のドライビングプレジャー」の向上,安心感や快適性の改善による「走りの質」の向上を狙い,サスペンション・ステアリング機能を根本から見直すことで,一体感・安心感・快適性の間にある背反性能を高次元で両立するため,技術開発によるブレークスルーを実現した(1)。本稿では,マツダ新世代商品のトップバッターでクロスオーバSUVのCX-5と,これまでスポーティな走りで好評を得てきたフラッグシップセダンの新型アテンザについて,SKYACTIV-シャシーのブレークスルー技術と基本構造を共通としながら,それぞれの異なるキャラクタをどのように具現化したか,その手段と達成性能を紹介する。2.開発のねらいSKYACTIV-シャシーは,基本機能に立ち返りその役割分担を見直すことで,以下の一体感・安心感・快適性の間に存在する背反課題の両立(ブレークスルー)に取り組んだ。(A)中低速域の軽快感と高速安定性の両立(B)中低速域の軽快感と乗心地の両立(C)軽量化とダイナミクス性能,NVH性能の両立*1~3シャシー開発部*4,5操安性能開発部Chassis Development Dept.Chassis Dynamics Development Dept.*6 NVH性能・CAE技術開発部NVH & CAE Technology Development Dept.―32―