ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

マツダ技報No.30(2012)Fig.4 Principle of Electric Double Layer Capacitor (3)【Pore of the active carbon】Inside surfaceOutside surfaceMicro-aperture(<2nm)Meso aperture(2~50nm)Macro aperture(>50nm)【EDLC image】Electrolyte SolutionCarbon electrode Activated carbon grainて大電流に対する効率を高められた。更に,高温での耐久性をこれまでの60℃から70℃に向上させ,頻繁な回生による自己発熱への許容度も向上した。4.2活性炭について電極に使用されている活性炭(Activated carbon)は脱臭剤などで知られているが,石炭やヤシ穀などを二酸化炭素や水蒸気,空気,燃焼ガス等を約1,000℃の温度で反応させ炭化賦活して作られる微細孔を持つ炭素のことである。この微細孔の壁の活性炭面積が,EDLCの静電容量に大きく関係し,セル1本分の表面積は東京ドーム約3個分に相当する。今回開発のEDLCはヤシの実の内果皮(Fig.7)から製造する活性炭を使用しており,その内果皮は木や竹より硬く,良い活性炭原料となる。内果皮以外も例えば中果皮はスポンジなど,胚乳はヤシ油,石鹸等にいろいろ使われ無駄にするところがほとんどない。フィリピンでは2010年ヤシ油用に120億個のヤシの実が使用されているが,その廃材の内果皮約30億個(Fig.8)が活性炭用として使用されており,今後EDLCが増産されても廃材利用率が向上し環境破壊等が発生する懸念は少ない。EDLCは鉛電池やリチウム電池等と比べ比較できないくらい環境にやさしい材料で構成されている。separatorCurrent collectorEndocarpAlbumeFig.5 Structure of Electric Double Layer Capacitor (3)MesocarFig.7 Coconut StructureCoconut oil12,000,000,000Total amount15,500,000,00Active carbon300,000,000Fig.6 EDLC Cell for Vehicle Made in Nippon Chemi-Con (3)実施した。エンジンルーム内への搭載を実現するためには,酷暑地域においても内部発熱による温度上昇を抑える必要がある。そのためには,セル当たり1mΩ以下の低抵抗化が理想である。しかし,これまでのEDLCでは,モジュールでの内部抵抗が約25mΩ以上が一般的であった。そこで,集電構造の改良及び電極材組成の最適化による接触抵抗の低減を実施することで,単セル0.9mΩ以下を実現しFig.8 2010 Production and Use of the Philippine Coconut5.信頼性5.1基本特性開発したEDLCの基本特性について以下に示す。Fig.9には,EDLC容量の電流値依存性を示す。電流値が大きくなるほど,電圧降下が大きくなるため容量が小さくなるが,電圧降下も小さく良好な放電直線を示す。―46―