ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30
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マツダ技報 2012 No.30
マツダ技報No.28(2010)また,マツダが特に力を入れているのがモデリングである。現在のデジタル処理を主体とするデザイン開発の時代にあって,あえてモデラーの匠の技を活用したクレイによるモデリングを強化し,「マツダならではの独自の価値」を提供する高い品質の立体造形を創りきった(Fig.1)。1.プロポーション革新2.サーフェス革新3.ブランドシグネチャFig.3 Front Quarter View (SDN)Fig.1 Mazda Clay Modeling Technologyこれらの結果として,お客様の野生を呼び覚ますような艶っぽく情熱的な造形,質感を追求し,自然を壊すのではなく自然に溶け込むような動く形として理にかなった,完成度の高いデザインを目指したのが新型アテンザである。また,デザイン開発プロセスを革新し,ビジョンモデルを創り,量産車に展開し,また次のビジョンモデルを創るという新たなプロセスへのチャレンジを行った。今までのショーカーとは全く異なり,次世代商品のイメージを牽引するビジョンモデルという意味を持たせ,非常にリアルで質の高いものを創り出すプロセスとしている。この新たなデザイン開発プロセスで発表してきたのが「SHINARI靭とTAKERI雄(Fig.2)」である。そして,これらのビジョンモデルをベースとして商品開発した量産車が「新型アテンザ」である。このように,「魂動」デザインによる動きの立体表現と艶やかな面質を極めたこのクルマに向かい合うたびに,所有するお客様の心を凛とさせ,元気にさせるデザインを新型アテンザでは実現している。Fig.4 Rear Quarter View (SDN)Fig.5 Rear Quarter View (WGN)Fig.6 Head Lamp & Rear Combination Lamp SignatureFig.2 Shinari & Takeri(2)エクステリアデザインエクステリアデザインでは,一目見ただけで感じ取れる強い骨格と高い艶感によって品格とスポーティさを兼ね備えながらも,生き物のように美しい強靭さを表現している。そして,対峙する度,思わず心が凛とする存在感をデザイン領域で実現するため,3つのデザイン革新を取り入れた(Fig.3~6)。(3)インテリアデザインインテリアデザインでは,一目見ただけで感じられる品格の高さと質感の良さを実現し,そこに「粋」なデザインとコーディネーションを織り込むことを目指した。また,お客様に長く愛されるクルマとなるよう,形の新しさのみに偏重することを避け,インテリアの造形全体の質感や部品と部品の合わせ部の造形など,細部にもこだわった質感の向上に取り組んだ。具体的には,室内空間を構成する2つの大きな要素として,インパネ上部から両サイドへと流れるスピード感のある大きな動きを感じさせるラインと,インパネ中央部を水平に貫く安定したラインを設定し,この両者を核とした立体―62―