ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30

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マツダ技報 2012 No.30

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概要

マツダ技報 2012 No.30

No.30(2012)マツダ技報(2)空力性能クラストップレベルの燃費性能を実現すべく,空力性能(Cd値)にもこだわり抜いた。エンジン下カバー,センターフロアカバー,トンネルカバー,前後タイヤディフレクタを設定して床下流れの整流を図るとともに,メインサイレンサによる跳ね上げ形状で流れを上方に向かわせた。これにより,Cd値を大幅に低減している。また,センターフロアカバーは燃料タンク下まで配置,トンネルカバーと大型トンネルメンバを新たに設定,ディフレクタ前方の跳ね下げ形状の採用は現行車からの進化であるとともに,他社に類を見ない床下流れの整流を実現し,クラストップレベルの燃費性能に貢献している。また,こだわり抜いた空力性能により,高速走行時の直進安定性能においても,高い性能を実現している。(3)軽量化技術新型アテンザでは,歩行者保護対応やオフセット衝突対応など,年々強化される規制対応や,安全技術の拡大展開による安全対応による重量増を最小限に抑制している。具体的には,SKYACTIV技術を活用して100kgの軽量化技術を織込むことで,規制対応や安全対応などの重量増をオフセットしている。これにより,クラストップレベルの燃費性能を実現するとともに,意のままに軽快に操ることでの走る歓びの提供に貢献している。(4)安全技術新型アテンザでは,マツダの安全思想(マツダプロアクティブセーフティ)に則り,「お客様が安全に運転できる状態を最大限に高めること」にこだわって商品開発を行った。お客様が「意のままに軽快に操ることでの走る歓び」を楽しみ尽くすために世界基準の様々な先進アクティブセーフティ技術を採用している。このため,新型アテンザの先進アクティブセーフティ技術は,カメラ,レーザ,レーダなど複数の最新センシング技術を用いて,それぞれの長所・短所を有機的に相互補完することで,どのような天候,どのような路面でも,常にお客様が安全に運転できる状態を確保している。パートナとして,このクルマを末永く愛していただけたら,開発者としてこれに勝る歓びはない。参考文献(1)延岡健太郎:価値づくり経営の論理-日本製造業の生きる道,日本経済新聞社(2011)(2)加藤雄一郎:ブランドマネジメント‐究極的なありたい姿が組織能力を更に高める,日本規格協会(2009)(3) W・チャン・キム,レネ・モボルニュ:ブルー・オーシャン戦略競争のない世界を創造する,ランダムハウス講談社(2005)(4)楠木建:ストーリーとしての競争戦略‐優れた戦略の条件,東洋経済新報社(2010)(5)延岡健太郎:マルチプロジェクト戦略,有斐閣(1996)(6)延岡健太郎:MOT[技術経営]入門,日本経済新聞出版社(2006)(7)沼上幹:経営戦略の思考法,日本経済新聞出版社(2009)(8)青島矢一,加藤俊彦:競争戦略論,東洋経済新聞社(2003)(9) Vargo S.L.ほか:“Evolving to a New Dominant Logicfor Marketing”Journal of Marketing, Vol.68,pp.1-17(2004)(10) Vargo S.L.ほか:”Service-Dominant Logic:Continuing the Evolution”Journal of the AcademicScience,Vol.36,No.1,pp.1-10(2008)(11) Christensen C.M.,玉田俊平太,伊豆原弓:イノベーションのジレンマ,翔泳社(2001)(12) Clark K. B. ,藤本隆宏,田村明比古:増補版製品開発力,ダイヤモンド社(2009)(13)安部義彦,池上重輔ほか:日本のブルー・オーシャン戦略,ファーストプレス(2008)■著者■4.おわりに新型アテンザは,フルにSKYACTIV TECHNOLOGYを搭載した初の乗用車として,「ヒトとクルマの一体化」を実感できる卓越したダイナミクス性能を提供している。更に,ドライバの感情を刺激する唯一無二の存在感を具備したスタイリングにより,お客様にとってかけがえのないパートナとなることを目指した。また,SKYACTIVTECHNOLOGYは運転の楽しさだけでなく,いつまでも気兼ねなくドライブできる環境安全性能を実現している。このように,新型アテンザは,「走る歓び」を愚直に追求するマツダが,自信を持って世に送り出す作品である。お客様のライフスタイルをより豊かなものにするための良き梶山浩松岡完岩本信也―65―