ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30
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マツダ技報 2012 No.30
マツダ技報No.30(2012)4.2エクステリア造形と同期したインテリア造形インテリアデザインでは,新世代マツダのフラッグシップカーにふさわしい「粋」な造形とコーディネーションを目指した。そしてお客様に長く愛されるよう,形の新しさに偏重することを避け,一目で感じられる室内各部の造形のクオリティや隅々までの質感の向上に取り組んだ。造形要素として,インパネ上部から両サイドへ流れるスピード感ある大きな動きと,インパネ中央部を水平に貫く安定感を核とした。特に動きのラインは特徴的でエクステリアの同じ部分のキャラクタラインと呼応して内と外で,一貫した世界感を表現している。またドアトリムの彫刻的な面の陰影の変化にはCDカーのインテリアにふさわしい上質な造形美を表現した。(Fig.23,24)Fig.23 Same Speed Expression in its Exterior & Interior Theme LinesFig. 24 Sculptural Speed Expression on Trims4.3素材の質感へのこだわり樹脂パーツやトリム材,デコレーションパーツなどの各種素材の質感は,触感の良さ,本物らしい自然な面変化の実現を徹底的に追求した。インパネアッパ部とメータフード,ドアトリム上部などお客様が手に触れやすい部分には,前席・後席ともソフト素材を用い,プラスチック的な素材感の露出を最小限に抑えた。またソフト素材とハード素材が隣り合う箇所では,素材の柔らかさ・硬さを視覚的に感じ取れるよう形状を工夫し,例えば硬い素材が柔らかい素材にめり込む形状を自然に再現した。更に,サテンクローム処理を施したメタリックパーツは,あたかも無垢の金属を削り出して,手で丹念に磨き上げたような本物らしさを醸し出すため,形状に細心の注意を払った(Fig.25)。インパネの中段を水平に貫くラインには,新開発の積層フィルムをインサートした立体的なデコレーションパネルを2種類設定した(Fig.26)。深みのあるダークチェリーのような「ボルドーメタル」と,渋みのある黒く焼いた鋼のような「ダークメタル」である。いずれも,磨き込まれたグラスのような滑らかな表面のフィルムの最下層に,ヘアライン加工されたリアルアルミのレイヤがあり,透明感のある深みを生みながら,強い光が当たった瞬間には金属の高輝度な反射によって「凄み」を見せる。Fig 25 Satin Chrome Parts which Have Real Metal FeelFig.26 New Material which Have Deep Gross Color & Real Metal Feel5.カラーデザイン5.1新世代デザインの形状を最大限に表出させる新ボデーカラー新世代「魂動」デザインを極めるため,新型アテンザのデザイン開発では造形とボデーカラーのベストマッチを追求した。大胆さと繊細さをあわせ持つ「魂動」の面の表情を余すところなく表現する,光と影,深みのある艶を持つ新色を開発した。新型アテンザでは全8色のボデーカラー・ラインナップ(Fig.27)のうち,4色がその新色となる。中でも新型アテンザのイメージカラーとなるSoul Redは,マツダが長い年月開発してきた鮮やかで情熱的な「赤」を更に極めた。難易度の高いハイライトの発色の良さと深みの両立を成功させ,内からエネルギを発する,エモーショナルな「赤」として完成させた。エンジニアがデザイナの意を酌み技術と試行錯誤を重ねて実現した,マツダ渾身のRedである。第二のイメージカラーは「靭」のボデー色に近いBlue Reflexである。鍛え抜かれた金属が放つ独特の強靱な質感を表現するため,細かな光輝材をこれまで以上に緻密に配置し,滑らかな質感としなやかで強い光沢を実現した。Meteor GreyもBlue Reflex同様に硬質で密度感の高さを追求したグレーマイカである。そして今までに存在しないほどの「漆黒のシェード」と,ハイライトの輝きを実現したのが,新開発のJet Blackである。既存色のStormy Blue Mica,Aluminum Metallic,Snowflake White Pearl,Arctic Whiteも含め全8色を設定した。(日本仕様はArctic Whiteの設定がないため全7色)―70―