ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30
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マツダ技報 2012 No.30
特集:新型車(アテンザ)15マツダ技報No.30(2012)新型アテンザボデーシェル開発Development of BODY Structure for All-New ATENZA青沼隆浩*1坂上大介*2亀井丈広*3Takahiro AonumaDaisuke SakagamiTakehiro Kamei阪井克倫*4Katsunori Sakai要約新型アテンザは,セダンとワゴンの二つの車型を持つマツダのフラッグシップモデルであり,CX-5に続いて,マツダ技報29号で発表したSKYACTIV-BODYに,デザインテーマ「魂動」を表したボデーを持つ商品である。このデザインの実現と,すぐれたパッケージングの両立を目指すと同時に,ワゴンにおいて,セダンと同等のダイナミクス性能を持たせる課題に取り組んだ。この達成手段として,構造の「ストレート化」「連続化」を基本的な考え方として堅持し,CAE検証を繰り返し行いながら,最適構造を具体化した。その上で,高剛性発泡充填材の採用や部材ごとの仕様最適化検証を行った。この結果,ワゴンでは,従来モデルに対して,45%のねじり剛性向上を果たし,セダンと同等の乗り心地性能を得ることができた。SummaryThe All-New ATENZA is a flagship model of Mazda with sedan and wagon vehicle types.Following the CX-5, the design theme "KODO" was expressed on the SKYACTIV-BODY which waspublished in the Mazda Technical Review No.29. Realizing both the design and excellentpackaging at the same time, and improving the dynamic performance of the wagon to theequivalent level to the sedan were focused on. To realize them, based on the“straight structures”and“continuous structures”concepts, an optimal structure was developed by repeated CAE studies.Then, the high stiffness foamed material was introduced, and the spec of each part was optimized.As a result, the torsional stiffness of the wagon was improved by 45% over the previous model,achieving the sedan-level ride comfort.1.はじめにCX-5に始まる一連の新商品群におけるボデーシェルは,その生い立ちをマツダ技報29号に発表したSKYACTIV-BODY (1)に遡る。ここで「機能配分」という考え方に基づき,車体各部の機能を見える化し,実現のための指標を各部位に設定した。これらを目指して描いた構想をCAEや実機検証を繰り返して,様々な車型に対する車体の基本骨格を一括で決定した(Fig.1)。その上で目標性能を実現するための具体的な手法の筋通しを車種間で横断的に行い,生産効率の向上を図った。これらをマツダはコモンアーキテクチャ構想と呼び,車体設計のよりどころと位置付け,新型アテンザの車体設計に着手した。この設計過程において,優れた安全性の確保,マツダのDNAともいえるエモーショナルなデザインの具現化,そして,優れたダイナミクス性能を更に高め,新商品に相応しい日常での機能性や使い勝手をお客様に提供するために,相反する課題を解決してきた。本稿では,優れた機能性を実現するために取り組んだ,デザイン・パッケージングと各性能要件を両立させた実現手法について述べる。また,セダン/ステーションワゴンという2種の車型と,異なるホイールベースを一つのプラットフォームから効率良く派生させ,かつ性能差を極力な*1~4ボデー開発部Body Development Dept.―78―