ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30
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マツダ技報 2012 No.30
No.30(2012)マツダ技報5.生産性■著者■ソウルレッドカラーは全く新しい塗膜構成により,高い質感を実現しているが,上層の半透明層と下層の反射層の2層で発色させているため,他色に比べ,生産性に大きな課題があった。主な課題は以下の4点である。1)上層の半透明層の膜厚の差による“色むら”の発生2)静電効果によりエッジの膜厚が厚くなることによる“額縁むら”の発生3)下層の反射層のアルミフレークの配向の乱れによる“アルミむら”の発生4)2種類のベース塗料を使用することによる,“内板部への入り込みによる見映え低下”中野さくら久保田寛篠田雅史課題の原因と対応策をTable 1にまとめた。これらの課題を解決することで,高い質感を維持しながら従来塗色と同等の生産性を確保することができた。Table 1 Issues and Countermeasures of Paint ProcessIssuesCausesCountermeasures1)Color irregularity2)Frame irregularityAppearing of theirregularity by the filmthickness differences ofthe half transparent layerEqualization of the paintingfilm thickness by introductionof the special paint program3)AluminumirregularityAppearing of theirregularity by disorder ofthe orientation of・Control of paint viscosity・Optimization of the paintconditionaluminum flack4)Deterioration ofthe inner panelappearanceDeterioration in anappearance by gettinginto to inner panel of twodifferent base paint・Change of B-pillar shape・Use of the special paint forthe inner panel6.まとめ今回のソウルレッドの開発では,以下の3つの取り組みにより,生産性を維持したまま,ハイライトの鮮やかさと深みを両立する高い質感のカラーを量産導入することができた。①鮮やかさ”と“深み”の質感に対する新たな定量指標の設定②着色層と反射層で構成した新しい塗膜構造の実現③質感を発揮するための塗料配合と塗装膜厚均一化今後も,今回の開発で得た知見を基に,他社に先駆けて新たな質感をお客様に提案し続けられるように,社内外の関係部門とともに新色開発に取り組んでいきたい。―87―