ブックタイトルマツダ技報 2012 No.30
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マツダ技報 2012 No.30
No.30(2012)マツダ技報トップバッターであり,このクルマがマツダの新時代を切り拓く大役を担うことになった。2.商品コンセプトマツダはCX-5のターゲットカスタマーを,「家族や仲間といった大切な人達とともに”豊かで充実したかけがえのない人生”を送ることを求めて,仕事にも遊びにもアクティブで,毎日をはつらつと過ごしている方たち」とした。そして,彼らがクルマに期待することは,「自分の生き方に自信と誇りをもたらし,気持ちに落ち着きと余裕を与え,何事にも果敢に挑戦し続ける活力をみなぎらせてくれること」であると考えた。これらの期待に応えるべく,CX-5の商品コンセプトを「永く愛される『懐の深さ』を備えた,すべてが新しいクロスオーバSUV」とし,以下4つのキーバリューを掲げた。1.魅せる歓び:新デザインテーマ「魂動(こどう)」がもたらす,研ぎ澄まされた躍動感と自信に満ちた存在感2.意のままに操る歓び:SKYACTIV TECHNOLOGYが生み出す,上質かつ洗練された気持ちが昂る爽快感3.使い切る歓び:様々な使い方に余裕を持って柔軟かつスマートに対応できる,考え抜かれた抜群の機能性4.永くつきあう歓び:いつまでも,心置きなくクルマ本来の楽しさを享受できる,先進の環境安全性キーバリューの実現においては,デザイン・走り・環境・安全・使い勝手・品質感などすべての面でお客様の期待を超え,見るたび,運転するたび,乗るたび,使うたびに心がときめく,そんな歓びの実体化を目指した。そのために,人はどんな物・どんな形・どんな瞬間に生命の息吹や躍動を直観するのか,人は何をもって思い通りに動くと感じるのかなど,人とクルマのすべてにわたって基本に立ち返り,原理原則に忠実に開発を進めてきた。また,既成概念や慣習にとらわれることなく,造形的にも機能的にも無駄を徹底的に削り取ることで,美しさにも走りにも使い勝手にも,真に価値のある余裕や,違和感のない心地よさを追求した。3.商品特徴キーバリュー1.魅せる歓び新デザインテーマ「魂動(こどう)」がもたらす,研ぎ澄まされた躍動感と自信に満ちた存在感マツダは,風や水の流れの美しさといった自然における様々な「動き」のある造形を模索し,デザインに取り入れてきた。その中でたどり着いたのが,野生動物が見せる一瞬の動きの強さや美しさであり,それを表現したのが新デザインテーマ「魂動(こどう)」である。CX-5では,チーターが駆け出す瞬間のムダがない美しさを表現し,研ぎ澄まされた躍動感と自信に満ちた存在感を訴えかける,マツダならではのデザインを実現した。(1)エクステリアデザインクロスオーバSUVの特徴である「アクティブで力強く,機能的」というイメージの表現とともに,マツダらしいダイナミックでエモーショナルなスタイリングの実現を目指した。存在感のあるフロントノーズと,踏ん張り感のある大きく張り出したホイールアーチで,ミニバンやハッチバックとは一線を画すドライバを中心に置いたシルエットを創出。また,車両の姿勢を前傾させつつAピラーを後方にレイアウト。チーターが全身のバネを使って飛び出す瞬間の「今にも走り出しそうな動き」を感じさせるサイドビューを表現し,アスレティックでありながらも堂々とした,これまでとはまったく異なるSUVスタイルを実現した。(2)インテリアデザインドライバオリエンテッドな空間を実現するとともに,SUVらしい力強さと剛性の高さを感じられる室内空間の表現を目指した。更に,走りへのワクワク感はもちろん,質感の高さにもこだわり,洗練された空間創りを行った。機能的で美しく,そして愛着の湧くインテリアによって,触ってみたい,運転してみたいという気持ちを湧き立たせる,マツダらしい運転空間を創出した。●機能に裏付けられたデザインクラフトマンシップ「精緻な造り込み」「優れた機能美」「カスタマーディライト」を磨きあげながら,感性領域にまで踏み込み,お客様が五感で感じる本質的な高い質感を,丹念な造り込みとデザインによって実現。インストルメントパネルに採用したシボは,微細な形を吟味し,しっとりとした質感を表現。また,室内各部に施した上質なサテンクロームメッキの加飾は,丁寧な造り込みで陰影のある輝きを演出するだけでなく,視線をスムーズに誘導する,雑多なものを置いても気になり難い,といった視覚効果をも創出している。更に肘や腕など,触れる部位によってクッション感や触感を最適化することで,いつまでも触れていたくなる心地よさを醸成している。キーバリュー2.意のままに操る歓びSKYACTIV TECHNOLOGYが生み出す,上質かつ洗練された気持ちが昂る爽快感CX-5で目指したのは,ドライバが思い描くイメージ通りにクルマが忠実に反応するという,初代ロードスター以降「人馬一体」という独自の言葉でマツダが追求してきた―89―