ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31

ページ
11/228

このページは マツダ技報 2013 No.31 の電子ブックに掲載されている11ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

マツダ技報 2013 No.31

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

マツダ技報 2013 No.31

マツダ技報No.31(2013)る魅力』と『所有期間の中で時間をかけて感じていただける魅力』の両方を提供することである。そのために,マツダが持っている最新の考え方,技術を惜しみなく投入し価値の実現を行った。まさに『“TheMazda”スポーツコンパクトの革新』が開発の取り組み方針であった。お客様の「人生のパートナ」となり,お客様が見て触れて乗って,毎日が,そして人生が,もっとワクワクする歓びに満ちたものになるような,そんな想いをこのクルマに込めている。2.商品コンセプト2.1ターゲットカスタマ新型アクセラのターゲットカスタマを一言で言い表すと,「車を運転することを愛し,大きな夢を抱き,その夢に向かってチャレンジを惜しまない全ての人々」である。彼ら・彼女らは上昇志向が強く,自らさまざまなことにチャレンジし成長していくことに歓びを感じており,クルマに対しても自らの手でハンドルを握り,意のままに操る楽しさを享受することに価値を感じている。2.2 (カスタマに深く関わる)開発キーワードと商品コンセプトターゲットカスタマと強い絆を結ぶため,従来とは違った手法で開発キーワードを設定する必要があった。従来は機能・性能面から商品の提供価値を設定していたが,今回は「見た瞬間,乗った瞬間に感じられる魅力」と,「所有期間の中で時間をかけて感じていただける魅力」をカスタマの日々の生活の中で実感していただくため,アクセラが果たすべきキーワードを3つ設定した。①「SWITCH」=気持ちを前向きに切り替え,挑戦心を湧きあがらせる。②「ACTION」=挑戦心を行動力に変え,感動に出会わせる。③「INSPIRE」=出会った感動を成功体験とし,さらなる挑戦の原動力とする。これらのキーワードから商品コンセプトを,「夢を追いかけ挑戦し続ける人達のパートナとして,互いに刺激し合い気持ちの良い成長のリズムを奏でる存在」とした。「デザインの狙いを実現したパッケージ」である。(1)エクステリアデザイン「一目見てアクセラに惚れ込む」,こんなデザインを目指した。まず歴代のアクセラが培ってきたスポーティで躍動感あふれる造形を,「魂動(こどう)」のデザインテーマのもとでマツダのCカーにふさわしいダイナミックでエモーショナルな造形表現として進化させた。特に注力したことは,薄くコンパクトに感じるキャビンとタイヤを四隅に配置したことによる安定したスタンスを追求し,車全体のバランスの良さを実現した。これはワイドトレッド,ロングホイールベース,大径タイヤの採用により実現した(Fig. 1)。Fig. 1 Exterior Design(2)インテリアデザイン「ドアを開けた瞬間に,すぐに乗ってドライブに行きたくなる」,こんなインテリアを実現するため,ドライバには運転に集中できる適度なタイト感を,助手席乗員には安心感と共に開放感を,そして後席乗員には前席空間との隔たりを感じずにドライブを一緒に楽しめる気持ちよさの提供を目指した(Fig. 2)。キャビンがコンパクトに見える魅力的なエクステリアとの両立を図るため,従来の対競合比勝ち負けの寸法を追うのではなく,人が必要とする絶対的な寸法を一から見直した結果,実用上必要十分なスペースを確保実現できた。具体的には助手席の安心感と開放感を両立させたインパネ高さ,前席と後席との隔たりを感じさせないフロントシート形状,後席乗員がリラックスできる足元・膝空間が挙げられる。3.商品特徴3.1 SWITCH ~気持ちを前向きに切り替えるSWITCHの狙いは,クルマを見て触れる一つ一つの瞬間を,気持ちを切り替えるスイッチとすること。その実現手段は,「見る人の心を瞬時にとらえ,魅了するエクステリアデザイン」,「乗り込んだ瞬間に歓びあふれる走りのイメージで包み込むインテリアデザイン」,更にFig. 2 Interior Design3.2 ACTION ~挑戦心を行動力に変えるACTIONの狙いは,クルマを走らせた瞬間の気持ち―4―