ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31

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マツダ技報 2013 No.31

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マツダ技報 2013 No.31

マツダ技報No.31(2013)4.5新設耐候試験設備での計測精度検証結果新耐候試験設備で計測した各部の温度と実路で計測した温度を比較し,差異が±5℃以下であることを確認した(Fig.9)。これにて試験室で計測した温度と実路走行時の温度に一定の相関があると判断し,このデータを基に得た情報を温度境界条件としてCAEモデルへ織り込んだ。Fig. 6 Complicated Heat Flow between Related Parts4.4新設耐候試験設備を用いたFTTPデータ収集CAEの温度境界条件に用いる実機データ情報を得るため,新設した耐候試験設備のシャシーダイナモ上で,FTTPモード走行中の各部温度を計測し,その精度を検証しながらCAEモデルの改善に活用することにした。実験室で温度を計測する際は,走行中の車両近傍の空気の流れ,日射条件,路面輻射条件を実路に近づけることが特に重要となる。新設の耐候試験設備は大型風洞と,車両の前面投影面積を100%カバーする大型の吹き出しノズルにより,実路走行時と同様に車両全体に一定方向の走行風を均一に吹き付けることを可能としている。またテスト室床面の風速を高める境界層制御装置と,非駆動輪の回転による気流への影響を再現する4WDシャシーダイナモで,タンク内燃料温度に影響が大きい車両床下の空気の流れを実路に近づけた(Fig. 7)。Fig. 9 Measured Temperature4.6 CAEモデルの改善効果実機テスト情報をCAEモデルに織り込んだ結果,計算に要する時間は大幅に短縮され,開発に十分活用できるものになった。また,CAEによる予測温度が実測した温度とほぼ一致し,FTTPの温度予測ツールとして活用できる精度を確保することができた(Fig. 10)。この予測式を活用することにより,タンク内燃料温度に影響の大きい要素を明らかにし,温度上昇を抑えるために有利な構造を短時間に机上で検討し,提案できる仕組みを作った。Fig. 7 Comparison of Measured Wind Speeds更に,日射装置と床面ヒートマットにより環境を調整した実験室内でFTTPモードを走行し,タンク内燃料温度及び関連個所の温度を計測するテストを実施した(Fig. 8)。Fig. 8 View of FTTP Mode TestFig. 10 Comparison of Laboratory Data and CAE Result5.新設耐候試験設備の効果(1) FTTP開発の事例でみられるように,CAEをサポートし開発の効率を向上することができた。ドライバビリティ,燃費開発にも更に利用を広め,モデルベース開発に適宜活用していく。(2)試験自体の効率を上げ,実質的なテストのキャパシティを拡大したことにより,より多くの技術課題に取り組むことができるようになった。(3)省エネ化・テスト効率化により消費エネルギーを低減した。―104―