ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31
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マツダ技報 2013 No.31
No.31(2013)マツダ技報(4)交流電気回路と動力性能のモデルモータとインバータを組み合わせた上で生じる交互作用を再現するために,Matlab/Simulink型のモータ挙動モデルを同ソフトウェア上に作成された直流電源,および三相交流インバータモデルに連結し,電気系のプラントモデルとして完結動作させた。Fig. 1の動力特性計算部の詳細フローをFig. 4に示す。三相交流のベクトル制御用のコントロールモデルや時系列データの検出機能も同ソフトウェア上に配置され,モータ/インバータの動的性能を記録可能とした。高回転域の双方に向け,非線形的に増大を視覚的に表現することで直感的な理解を補助した。曲面形状がIPMモータのリラクタンストルク理論や弱め界磁制御理論に沿った傾向にあることから,本計算機能が一定の妥当性を持つことを確認した。4.本計算手法の有効性検証4.1モータ断面設計固定での位相制御最適化車両駆動用のIPMモータが,300V一定の直流電源において効率最大となるような位相制御状態を仮定して,性能計算を行い,計算結果の分析から動作検証を行った。modeFRONTIERSet of inputvariables(Designparametergroup)Output variable(Performancevalue group)JMAG-StudioEnergized conditionMotor cross-sectional shape createdJMAG-RTInformation integration to behaviormodelMatlab/SimulinkExtraction of dynamic characteristicsand efficiency mapElectromagnetic field analysis(Several hundred conditions)Standard inverter & DC powersupply modelFig. 4 Calculation Workflow of Motor Characteristics(1)静的特性の検証効率マップの生成例をFig. 6に示す。トルクと回転数ゼロの原点から基底回転数にかけての領域,あるいは極低トルク域以外の領域では90%以上の動作効率となっており,IPMモータの特徴的プロフィールを良く再現している。当該実機(n=1)との絶対値比較における誤差は,約2 %になった。マツダでは,Matlab/Simulinkによる車両の構想設計を推進しており,同じソフトウェアプラットフォームでモータ/インバータのモデルを作成することで,エンジンやブレーキなど直接的に協調動作を求められるシステムとの連結性を確保した。(5)大量の計算結果の可読性の向上数百MBのファイルとして大量に生成される出力変数群を設計者が統合的に理解することは困難である。そこで計算結果の要点を既定の指標と同じグラフ目盛で掌握できるように独自の定型グラフの自動生成プログラムを追加した。Fig. 5に,その一例として回転数とトルクに対する交流の電流位相角の計算結果を示す。Fig. 6 Efficiency Map of IPM Motor Sample(2)動的特性の検証効率マップの生成過程で,各動作点に対し都度,トルクの動的特性の収束演算を行っている一例をFig. 7に示す。Fig. 5 Motors Drive System’s Current Phase AngleThree-Dimensional Map Sample効率を最大化する運転条件を探索した場合,電流位相角が連続的曲面に収束すること,また原点から高トルク域とFig. 7 Motor’s Torque Ripple Behavior of Time SeriesImageモータには,最大トルクだけでなくトルクリップルが大きなデザインもあり得るが,机上設計段階でのイジェクトを可能にした。また本稿には図示しないが,急峻なトルク―109―