ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31

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マツダ技報 2013 No.31

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マツダ技報 2013 No.31

No.31(2013)マツダ技報4.3動力特性の計算速度の向上本計算システムの開発当初,1モータデザインあたり効率マップの生成に130時間を要していた。しかし前述のエラーデザインの事前排除,解析メッシュの自動切り直しの排除,最適運転条件の抽出法の改良などの運用ノウハウ構築により,計算サイクルタイムが200倍速となり,40分での生成を実現した。更にコンピュータによる24時間連続操業との組み合わせにより,1000モータデザイン/月の検討作業を一人のオペレータが1回で仕掛けられ,検討能力が量的に大幅向上している。また高寄与因子の選択操作,および計算データベースが増大して試行錯誤の経験値が蓄積されるに従い,無駄なデザインの試行錯誤が減少していくため,技術検討の質的向上を図れた。コンピュータが自動生成した電磁界設計図は,市場流通製品と類似する域に到達し,数千デザインの実践的なモータ設計データベースを得ることができた。■著者■米盛敬板坂直樹栃岡孝宏5.まとめモータ/インバータの性能モデルに最適化技術を複合し,計算サーバで高速に演算することで,電動車の構想設計におけるモータ/インバータの仕様設計を支援する計算システムを構築できた。本計算システムは,設計刷新のハードルが低いバーチャル空間内で,モータデザイン検討を1000回/月のペースで行うことで,複数目的を充足する設計へとパラメータの組み合わせを絞り込んでいくことができる。今後は,予実差校正によりモータ/インバータモデルの高精度化を図りつつ,マツダ固有の要求を目的関数として追加し,構想設計への本格適用を行う。またモータ/インバータ挙動モデルを活用した制御ストラテジの自動育成や,動く要求仕様書としての流通を促進し,モデルベース開発の立場から“Zoom-Zoom”なクルマづくりへの進化を後押ししていく。参考文献(1)藤田ほか:遺伝的アルゴリズムによる機械システムの最適化法とそのエンジン諸元の最適設計への適用,日本機械学会論文集(C編),65巻,630号,pp.821-827(1999-2)(2)小平ほか:複数性能を扱う車体構造最適化手法の開発,マツダ技報,No.29,pp.104-109(2011)(3)木村ほか:CX-5 SKYACTIV-BODYストラクチャの開発,マツダ技報,No.30,pp.103-108(2012)―111―