ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31
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マツダ技報 2013 No.31
マツダ技報No.31(2013)特集:ITS世界会議21マツダのITS(高度道路交通システム)への取り組みIntroduction of Mazda’s Intelligent Transport Systems要約田坂寿康*1中野隆裕*2Toshiyasu Tasaka Takahiro Nakanoここ数年の安全技術の進歩は目覚ましく,さまざまな先進安全装備が商品化され,市場に投入されている。一方,ITS(高度道路交通システム)においても,既にITSスポットサービスが商品化され,市場で活用されている。また,車車間通信や歩車間通信も各社研究開発が進められ,近い将来の商品化も期待されている。更に,2013年10月に開催された第20回ITS世界会議東京2013が商品化を加速させるものと思われる。本稿では,これらの背景も踏まえながら,マツダにおけるITS開発の概要を紹介する。SummaryIn recent years safety technology has been drastically progressed and various advanced safetyequipment are put on the market. As part of it, Intelligent Transport System (ITS) is further improvedand ITS spot service is already used in the market. In addition, each maker is promoting researchand development of vehicle-to-vehicle and vehicle-to-pedestrian communications, andlaunches of such products onto the market are expected in a few years. Success of the 2013 ITSWorld Meeting held in Tokyo in October will accelerates the commercialization of such products.With this background, the outline of Mazda’s ITS development is introduced in this report.1.はじめに2013年10月,ITS世界会議2013が東京で開催され,マツダは他自動車メーカとASV(Advanced SafetyVehicle:先進安全自動車),DSSS(Driving SafetySupport Systems:安全運転支援システム),協調型ACC(CACC:Cooperative Adaptive Cruise Control:路車間・車車間連携による交通円滑化走行スマートカー)のデモを実施した。また,ポストコングレスツアーとして,広島市で,「広島における世界初の路面電車~自動車間通信ASVデモ」を行った。ここ数年の自動車関連のITSの研究開発は目覚ましいが,今回の世界会議によって更に大きく進展するものと期待される。マツダにおいても,これまで,国土交通省のASV活動などを通じてITSの研究開発を行ってきたが,本稿では,安全領域に内容を絞り,安全におけるITSの位置づけ,これまでのITSへの取り組み,広島市でのASVデモを中心としたITS世界会議参加の概要,商品化事例などを紹介する。2.マツダの安全技術への取り組み(1)2.1安全思想(MAZDA PROACTIVE SAFTY)マツダの技術開発の長期ビジョンである「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言」において,「すべてのお客様に走る歓びと優れた環境・安全性能を提供する」という考えのもとに,「クルマ」「人」「道路・インフラ」という3つの視点で,「事故のない安全なクルマ社会の実現」に取り組んでいる(Fig. 1)。その中で「クルマ」については,ドライバ(人間)を理解・信頼・尊重することを重視し,安全技術の研究開発を行っている。具体的には,「安全に運転するためには,認知・判断・操作の各ステップで適切に行動することが重要で,運転する環境が変化しても,正しく認知・判断することをサポートし,安全に安心して運転していただきたい。しかし,人間は時として避けられないミスを起こす。このため,万が一のドライバのミスにも対応できるように,事故被害を防止・軽減することをサポートする技術を開発し提供する。」という考え*1,2技術企画部Technology Planning Dept.―112―