ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31
- ページ
- 12/228
このページは マツダ技報 2013 No.31 の電子ブックに掲載されている12ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは マツダ技報 2013 No.31 の電子ブックに掲載されている12ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
マツダ技報 2013 No.31
No.31(2013)マツダ技報良さ・しなやかさによる意のままに操ることの歓びと,乗るたびに深まっていく楽しさを実現し,カスタマの日々の行動力を広げることである。その実現手段は,「マツダらしい意のままにクルマを操れるダイナミック性能」,「長距離ドライブでも経済的な燃費性能」,そして「アクティブセーフティ」である。(1)人馬一体感マツダはカスタマに「走る歓び」を提供するため,「人馬一体感」を追求している。人馬一体とは,人の「操る」という行為にクルマとの「コミュニケーション」が加わり最高の走行状況を造り出すことで「人とクルマが心まで通じ合う」ことである。この実現のシナリオは「走り出す前から意のままに操れる予感が高まり,走り出したら更に予感を超える実感が得られる」ことである(Fig. 3)。Level of oneness feelGet“expectation”that the carmoves as intended.Sense of connection betweenthe driver and the car.Look at exteriorOpen the door(3) Start engine/“Actual feel”of maneuvering theAccelerate car as intended exceeds the(2) Sit downexpectation.the driver seat(1) Open the doorThe car seems to be a part of driver’s body.Look at interiorGet insideClose the doorSet driving positionStart driving(accelerate)Fig. 3 Expectation to“Jinba-Ittai”Scene(2)ダイナミック性能この人馬一体感の実現に応えるため,マツダはCX-5,アテンザから一貫した考え方を取り入れた開発を行い,今回の新型アクセラにも採用している。それは,マツダらしい軽快で自然なドア開閉フィール,運転に集中できるドライビングポジションと前方視界,爽快でリニアな加速感とエンジンサウンド,軽快感と直進安定性を両立させたダイナミック性能である。今回新型アクセラの開発の中で特出するべき進化点は,人馬一体感を更に高めるための研究として,クルマと人との関係を更に追求したことである。今回「人」を理解することで明らかになったのは,人の「構え」という動作がクルマとの一体感に大きく関わっていることである。「構え」とは,ドライバがクルマを操作する際にクルマの動きを予測して反射的に筋肉を緊張させ身構えることをいう。このクルマの動きと「構え」の動きが一致したとき,一体感を感じる(Fig. 4)。Drive in a city(6) High speed drive(5) Cornering(4) Quality feel at 100mDrive suburbsDrive suburbs/HWDrive HWPoseReady for accelarationby supporting headusing neck's muscle(2) Vehicle Responseand accelarate(1) Step Accel Pedal=Input(3) Body push back to seatbackand bring head rearwardFig. 4 Pose新型アクセラではこの「構え」の理解を元に一体感ある「走り=アクセルコントロール性」を更に進化させた。主な進化ポイントは加速度の発生タイミング。CX-5,アテンザではドライバがペダルをゆっくり踏み込む時は加速度の発生タイミングもゆっくりと,速く踏み込む時には早く発生させていたが,新型アクセラではこの「構え」の研究より加速度の発生するタイミングは一定であることが,より人間の感覚に近いことが分かり,最適化チューニングを施した。この考え方はシート開発においても取り込んでいる。マツダが目指す人馬一体感の実現,とりわけ人の「構え」をサポートする上でシートが果たす役割は大きい。車両Gに対しドライバの重心移動がリニアになるよう,サポート特性を改善させることを主眼におき次のことにこだわった。①座った瞬間にクルマとの一体感を得られる,包み込まれるようなフィット性の追求。②体幹・骨盤をしっかりと支える身体支持性。③シートバックの構造を最適化し,自然な着座位置でコーナリング中でも横Gに対して安定した姿勢を実現するホールド性。④不快な振動を抑制するため,シートバックにサスペンションマットを採用すると共に,座面には振動吸収性の高いウレタンフォームを採用し,快適な座り心地を実現した(Fig. 5)。Fig. 5 Seat Structure―5―