ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31

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マツダ技報 2013 No.31

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マツダ技報 2013 No.31

マツダ技報No.31(2013)(3)燃費性能「休日は遠くへ出かけたくなる」,こんなカスタマの行動力をサポートするため,走る歓びを妥協することなくベストインクラスの燃費性能を達成した。その達成手段はPT(Powertrain)ユニット・電気デバイス・軽量化・空力性能である。a.パワートレインユニット新型アクセラでは世界中のカスタマのライフスタイルをサポートするため,幅広いPTラインアップを設定した。ガソリンエンジンは新規開発のSKYACTIV-G1.5Lをはじめ,2.0L,2.5L,Non-SKYACTIV 1.6L,ディーゼルエンジンはSKYACTIV-D 2.2L,そしてSKYACTIV-G 2.0Lとモータを組み合わせた「SKYACTIV-HEV(ハイブリッド)」を用意した。なお,ガソリンエンジンについては,マツダ独自の「ライトサイジングコンセプト」を取り入れている。<ライトサイジングコンセプト>近年の欧州市場で増加している「ダウンサイジングターボ(以下D/Sターボ)」は,エンジン排気量を小さくして低負荷領域での燃費向上を図ると共に,高負荷領域においては過給器により駆動力を確保するコンセプトのエンジンである。このタイプのエンジンは,走行条件によって実用燃費が大きく変わるという特徴がある。これに対しマツダのSKYACTIV-Gは,マツダが目指す人馬一体感の実現のために,あくまでもターボラグのない自然吸気エンジンにこだわり,1サイズ大きな排気量を選定し十分なトルクを確保した上で,ギアを高速化して走りと燃費の最適化を図るという,“ライトサイジングコンセプト”を採用している。特に燃費性能では,高圧縮比と高効率燃焼による中高負荷域の燃費優位性を維持しつつ,低負荷領域に対しても徹底した機械抵抗低減とポンピングロス低減を行うことにより,ほぼ全域でD/Sターボを凌駕する燃費性能を実現した(Fig. 6)。turbocharger >= SKYACTIV-GDownsizing turbocharger >= SKYACTIV-GDownsizing turbocharger < SKYACTIV-GDownsizing turbocharger < SKYACTIV-GFig. 6 Right Size Concept<新開発SKYACTIV-G 1.5L>4-2-1排気システム,マルチホールインジェクタ,キャビティ付ピストンなどの革新技術により,高圧縮比13.0を達成し,前モデルのMZR 1.5Lに比べて,動力性能・燃費性能共に大幅に向上した。特に燃費性能では,デュアルS-VT(可変バルブタイミング機構)の採用や,MZR 1.5L比約30%の抵抗低減などにより,20%以上の燃費向上を達成した。b.電気デバイス(i-ELOOP)新型アクセラではアテンザと同じシステムである減速時のエネルギー回生システムを採用した。これにより電装品を作動させるために消費していた燃料の使用を抑制することができ,頻繁に加減速を繰り返す実用走行時には,特に燃費向上が見込める。c.軽量化走る歓びと環境性能の両立のため,軽量化は最も重要な要素である。今回新型アクセラでは拡大したボデーサイズ,衝突性能の向上,大型化したタイヤ&ホイール,吸排気系や冷却系の進化などに伴うパワートレインでの重量増など,性能向上のための対策を採り入れながらも,最大で約100kgに及ぶ軽量化メニューを採用した。d.空力性能クラストップの燃費性能実現のため,エモーショナルなデザインを実現しながらもCd値0.255(セダン),0.275(ハッチバック)とクラストップレベルの空力性能を達成した。この実現のためにアテンザでも採用したアンダカバーや走行状況に応じてラジエータ前のシャッタを自動的に開閉するアクティブエアシャッタ(一部モデル)を採用した。(4)安全技術新型アクセラではアテンザ同様の先進安全技術を採用した。これはカメラ,レーザ,レーダなど複数の最新センシングを用いて,それぞれの長所を効果的に活用することで,どのような天候,どのような路面でも常にカスタマが安全に運転できる状態を確保している。3.3 INSPIRE ~更なる挑戦心を誘発するINSPIREの狙いは,カスタマが,クルマの中でも「仲間との即時性のつながり」から感性への刺激を得ることができ,更にその経験や情報を仲間と共有することで,カスタマが次の行動への挑戦心を誘発されることである。これを実現するため,走行安全を最優先した上で,最新の人間工学を元にしたマツダ独自のコックピットのコンセプト「Heads up Cockpit(ヘッズアップコクピット)」を採用し,直感的に操作をできるようデバイス類を設計。更に最新のコネクティビティーシステム「MAZDA CONNECT(マツダコネクト)*」を導入し,運転中も常にリアルタイムで友人やコミュニティに向けて情報を発信し,分かち合うことを可能とした。―6―*「MAZDA CONNECT」は、日本、アメリカ合衆国、カナダ、メキシコ市場での名称。その他市場に於ける名称は、「MZD CONNECT」。