ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31

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マツダ技報 2013 No.31

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マツダ技報 2013 No.31

No.31(2013)マツダ技報(1)伝送方式によるPER?γ?特性伝送方式から決まるPER?γ?特性については,ランダムなビット列からなるパケットを生成し,通信機の伝送方式による誤り訂正符号化処理,変調処理の後,加法性白色ガウス雑音(AWGN)を付加し,復調,復号するまでの一連の伝送処理を,検証すべきSNRの範囲で繰り返しシミュレーション計算を行うことで,各SNRに対するPER?γ?特性を求めた。(2) SNR予測精度以上の方法により,位置関係ごとの平均SNR-平均PERの関係を求めた。TX3-RX1の位置関係におけるシミュレーション結果に対する平均SNR-平均PERの関係をFig. 8に,フィールド実験結果に対する平均SNR-平均PERの関係をFig. 9に示す。Fig. 8 PER and Average SNR (TX3-RX1 Simulation)出会い頭発進待機支援サービスの位置関係に相当するTX3-RX1にて,平均PER=5%を達成するために必要な平均SNRを評価した。シミュレーション,フィールド実験生データから直接求めた平均SNRとフェージング特性モデルから予測して求めた平均SNRとの差を比較した。直接求めた平均SNRをSNRd,レイリー分布で予測した平均SNRをSNRr,仲上-m分布で予測した平均SNRをSNRnとした時,各分布での予測値と直接求めた値との差Δr=SNRr-SNRd,Δn=SNRn-SNRdは,シミュレーション結果に対しては,Δr=2.0dB,Δn=-0.2dB,フィールド実験結果に対しては,Δr=5.0dB,Δn=0.8dBとなり,フェージング特性を仲上-m分布としてモデル化することで,所要平均PERの達成に必要な平均SNRを精度よく予測できる目途を得た。Fig. 9 PER and Average SNR (TX3-RX1 Experiment)ただし,今回検証した交差点環境のサービス提供条件(TX3-RX1)でのmファクタは,m>1であり,レイリー分布で予測して設計するほうがシステムマージンをより多く確保できる。しかし,3.2章で示したように,シミュレーション結果からは,送受信車両位置関係,車両周辺の建物配置によっては,m<1になる可能性があることが予想されている。m<1となる環境では,レイリー分布として予測して設計すると,システムマージンがマイナスとなり通信システムとして成立しない。従って,車車間通信のように,伝搬特性の変化が激しい環境に対しても精度よく必要な平均SNRを予測できる仲上-m分布が有効であると考える。4.まとめ実環境にて達成すべきPERに必要な平均SNRを予測し,システムマージンを確保するためのシステムパラメータ設計のためには,フェージング特性を仲上-m分布としてモデル化することが有効であることを示した。また,走行環境条件によっては,フェージング特性は大きく変化すること,場合によっては,レイリー分布よりも厳しいフェージング状態(m<1)になる可能性があることもシミュレーションにより示した。引き続きmファクタの変動要因の解明と定式化に向けて取り組んでいきたい。参考文献(1)国土交通省自動車局先進安全自動車推進検討会:先進安全自動車(ASV)推進計画報告書,pp.89-184(2011)(2)総務省情報通信審議会情報通信技術分科会ITS無線システム委員会作業班:移動通信システム委員会報告参考資料,p.4(2011),http://www.soumu.go.jp/main_content/000117297.pdf(3)伊藤ほか:車々間通信環境における見通し外伝搬損失推定,2008年電子情報通信学会総合大会通信講―129―