ブックタイトルマツダ技報 2013 No.31
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マツダ技報 2013 No.31
マツダ技報No.31(2013)Fig. 7にメータを示す。従来車のメータからガソリン燃料計を廃止し,EV走行で必要となる表示を追加した。EV選択時には①が点灯し,水素選択時には②が点灯する。③,④は各々の残量計である。⑤は普通充電並びに急速充電中に点滅し充電状態であることを知らせる。パドルスイッチにより減速エネルギー回生量を,通常回生(ガソリン車のエンジンブレーキ相当の減速Gとなる回生量),強回生または回生なし(以下コースティング)の3段階に変更可能としている。通常回生時には⑥が点灯し,強回生時には⑦が点灯する。コースティング時には,⑥,⑦いずれも消灯する。また,回生が行われている間は⑧が点灯し回生の有無を知らせる。なお,コースティングは,高速走行中にアクセルをOFFした時の減速Gを小さくすることでアクセルの頻繁なON-OFFを少なくする効果が期待できる。信頼性を考慮した下限閾値(Fig. 8中のUnder limit)を下回らないように設定した。また,運転席のマニュアルスイッチによりEVモードとハイブリッドモードを,任意で選択できる仕様とした。すなわち,SOCが高い状態においても,ハイブリッドモードの選択が可能であり,優先的に,水素を使用することもできる。この結果,移動経路中のEVスタンドと水素ステーション場所を考慮して,任意にエネルギーを選択できる。SOC< CD Mode > < CS Mode >Center of SO C At CS modeOrdinary caseWorst caseUnder limitRunning timeFig. 8 Change of SOC by Driving TimeNormal ChargeQuick ChargeFig. 6 Ports for Battery Charge3) EVとハイブリッドモードプラグインハイブリッド車は,走行に伴いバッテリの電力を消費するCDモード(Charge Depletingmode)とバッテリ収支をバランスさせながら走行するCSモード(Charge Sustaining mode)を持つ。一般的には前者はEVモード,後者はハイブリッドモードとも呼ばれる。Fig. 8にフル充電から走行時間の経過に伴う高電圧バッテリの充電率(以下SOC:State Of Charge)の変化示す。IG-ON時に,SOCが一定量(Fig. 8中のCenter of SOC at CS mode)以上ある場合には,EVモードが選択され,走行により電気が消費されてSOCが一定量に達すると自動的にハイブリッドモードに切り替わる。この一定量は,目標とする一定時間全開加速を行いSOCの維持が困難な場合にも,バッテリ出力,⑧Fig. 7 Meter①②⑦⑥④③⑤4)発電制御法ハイブリッドモードにおいて,電力収支バランス,熱効率,走行フィーリングの三つの要求を高い次元でバランスさせる発電制御法を開発した(8)。この制御法では,熱効率を考慮した発電量モデルにおいて電力収支と走行フィーリングとを考慮した評価関数を逐次最小化しながら目標発電量を決定するモデル予測制御法を用いた。モデル予測制御法と車速に対するエンジン始動停止条件とを組み合わせることにより,三つの要求を高い次元でバランスする発電制御法を構築できた。Fig. 9にJC08モード走行中の熱効率分布を示す。NVH上有利な比較的低いエンジン回転数を使用しながら,熱効率の高い領域での運転が可能となった。Engine Power(kW)40302010Operation pointsηe(%)30High252015Low01000 2000 3000Engine Speed(rpm)Fig. 9 Operation Points at JC08 Mode次に,この制御の車内騒音への影響を確認した。加速初期のエンジンの吹き上がりや,所定速度以下では―140―